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やっぱり「やっぱり猫が好き」が好き!!(2ページ目)

約20年前の番組でありながら、今も熱狂的なファンを持つ「やっぱり猫が好き」。恩田三姉妹が繰り広げる肩の力の抜けた不思議ワールドの魅力を、こちらも肩の力を抜きながら探っていきます。

広川 峯啓

執筆者:広川 峯啓

お笑い・バラエティ番組ガイド

 

演劇的? バラエティ的?

やっぱり猫が好き 7枚BOX
舞台はマンションの一室のみ、登場人物も3人だけで、彼女達の会話のみでストーリーが展開する。これはまさに演劇の手法です。ただ、3人の会話があまりにも自然体なので、どうも台詞を喋っているような感じがしてきません。実際、各々アドリブも多かったと聞きます。

だからなのか、このシリーズがドラマなのか、コメディなのか、見ている方は判断に迷ってしまいます。もっともそれが、この「やっぱり猫が好き」の大きな魅力なのかもしれませんが。

おそらく、ストーリー以上にスタッフが気を配ってきたのが、キャラ設定なのでは。登場人物の性格を一言で説明することは難しいのですが、彼女達の喋る台詞はナチュラルそのもの。3人のやり取りにアドリブが入るのは当たり前。ひどい時には、オチが変わってしまったこともあったとか。

だから一旦ファンになってしまえば、かや乃、レイ子、きみえの三姉妹がその場で、取り留めのないお喋りをしているライブ感だけで、充分満足できてしまうのかもしれません。
 

20年間変わらないことのスゴさ



演じている3人は、タイプは全く異なるものの、いずれも演技派の女優であり、例え現実には有り得ない設定(カンガルーや象が家に来るなど)であっても、見ているうちに納得させられてしまいます。あとどんなに強引なオチだったとしても、エンディング・テーマの「サントワマミー」(忌野清志郎)が流れると、一件落着した感じになります(笑)。

おそらく、最近になって見始めた人は、すんなり作品の中に入り込むことが難しいかもしれません。ただ、DVD等で過去の作品も見ていくうちに、恩田家の面々が知り合いか親戚のように思えてくるのでは。ドラマを見ると言うより、親戚の家に遊びに行ったような感覚で楽しむのも、一つの手かもしれません。

ここまで約20年に渡って「恩田家サーガ」を描き続けてきた「猫がすき」。そこでスタッフにお願いしたいのは、3人がお婆ちゃんになっても、新たな作品を作り続けてほしいってことです。ただ、こんなことを書いても「それぐらい、もちろん考えてるよ」と即座に言い返されそうな気もしますが(笑)。
 
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