2009年注目のデジタルカメラトップ3は?
2009年もコンパクトなものから大倍率ズームまでさまざまなデジタルカメラが発売になった。その中でトレンドとなっている、あるいはなりそうな3機種をピックアップして、お届けしたい。キヤノン PowerShot G11
製品のコンセプト自体は前機種のPowerShot G10から変わっていない。大きく変わったのは搭載しているCCDだ。これまで高画素化一辺倒であった方向性を転じて、前機種の1400万画素から1000万画素へと大きく画素数を減らしてきた。このこと自体をニュースとして取り上げてもいいくらいだ。この画素減少によって暗所性能を一気に上昇させることができている。ISO800でもそれなりに見られるものになっているのは驚きだ。また、バリアングル式液晶ディスプレイの復活で撮影の幅が増していることもチェックしておきたい。詳しくは「要求に応えてくれる頼もしさ - PowerShot G11レビュー」でチェックしていただきたい。
もちろん、1400万画素から1000万画素になることで解像度は下がっている。実際にA3ノビほどの大きさでプリントした時にはその差異を見つけられるかもしれない。
なお、PowerShot S80、およびリコーのGRIIIも同じと思われる1000万画素のCCDを搭載しており、これらの暗所性能も充分なものがあるのは間違いないところだ。
パナソニック LUMIX DMC-TZ7
去年から今年にかけてのデジタルカメラにおける大きなトレンドとして、「小型でありながら高倍率ズームレンズを搭載」というものがある。その中でもひとつ抜けている製品としてDMC-TZ7を挙げておきたい。ワイド25mmスタートで最大300mm相当と12倍ズームレンズを搭載しながら、マクロではレンズから3センチまで寄れる、光学式手ぶれ補正、そして1280x720ピクセルのHD動画機能(おまけにステレオ録音で、動画撮影中でもAF動作可)、さらには高精細な液晶ディスプレイともうなんでもありといったスペック。
動画撮影においてバッテリーライフがやや不満ではあり、高感度では一気に画像が荒れてしまうのが難点と言えるのだが、これ1台でほとんどなんでもできてしまうという恐ろしいコンパクトデジタルカメラである。
ソニー DSC-WX1/TX1
DSC-WX1/TX1はどちらも「裏面照射型のCMOSイメージセンサ」を搭載している。この裏面照射型のCMOSイメージセンサはかなり昔から提唱されていたものの、製造が難しく世界ではじめてソニーが実現させたものなのである。日本の物づくりにおける技術力を見せつけた画期的な製品といえる。裏面照射型のCMOSイメージセンサの特徴は、簡単に言うとイメージセンサにあたる光の量が圧倒的に増え、これまで撮影できなかったような暗所でもしっかりと(ソニーでは2倍としている)撮影できるというものだ。
この裏面照射型を採用したExmor Rを搭載しているDSC-WX1/TX1は暗所性能において著しい進歩を見せてはくれている。ISO1600でもそれなりに見れるほどだが、その反面で通常時の写りはシャープネスが過剰になり、不安定な部分がある。暴れがちなじゃじゃ馬といった印象だ。
この裏面照射型のCMOSイメージセンサには将来のデジタルカメラ、そして携帯電話に搭載されるカメラ機能においてエポックメイキングとなる部分が少なからず存在する。今回はエールを送る意味でもピックアップしておきたい。
【関連サイト】
・キヤノン PowerShot G11
・パナソニック DMC-TZ7
・ソニー DSC-WX1
・ソニー DSC-TX1