宝塚ファン/宝塚歌劇の舞台とバックステージ

宝塚歌劇団が初めて!舞台で使用するマイク(2ページ目)

生オーケストラの演奏で生で歌う…。そこではマイクの存在が不可欠。今回はタカラジェンヌが身に付け使用しているマイクのお話。使用方法、そのメリット、デメリットとは?

桜木 星子

執筆者:桜木 星子

宝塚ファンガイド

話は少しそれますが……私が1990年より東宝ミュージカル『レ・ミゼラブル』に出演した際、この顔に付けるマイクでした。宝塚時代の衣装に装着するマイクに慣れていた私は、このマイクの扱いを面倒くさく思ったもんです。

腰に下げた電池部分に違和感を感じる…。背中に這わせるコードが気になる…。髪型を変えるたびに先端のマイク部分を直さなければならない…。宝塚時代は、ただ衣装に差すだけでよかったので。

ある日マイクさんに「このマイクの利点は?」とお聞きしたところ、「顔をどこに向けても、音をちゃんと拾えるでしょ?」という“なるほど!”と納得する答えが返ってきました。

衣装にマイクを付けていたら、顔を動かすと口元がマイクから離れてしまいます。しかし顔のどこかに付けていたら…? 顔をどの方向に向けても、口元にマイクもちゃんと着いてきますよね。歌やセリフがちゃんと拾えるのです。

宝塚歌劇でもこの顔に付けるマイクを使用するようになったのは、そうした理由からでしょう。

ただデメリットもあります。
扱いが安易でない他に、湿気を嫌うので、額や頬の汗をふき取らなくてはなりません。

そしてもう一つ。見た目の問題。
色もベージュでどんなに小さくても、顔に付いているわけですから、お客様からの見た目がいいとは言えません。異物と感じる方もいるでしょう。


衣装につける

顔に付けるものより以前から使用されていたのが、この衣装に付けるタイプ。
構造的にはほぼ同じです。
違う点は、先端のマイク部分を衣装の中から出し、クリップで衣装に挟んで付けます。コードも針金のようではありません。

装着はそれほど大変ではありませんが、衣装を替える度、先端を衣装に付け直さなくてはなりません。

娘役のドレスをはじめ胸元が開いたものなら、クリップで挟むだけでOK。男役もシャツの隙間からコードを出し付けられます。
胸元の開いていない、または隙間のない衣装の場合、マイク部分を衣装の穴から出して挟みます。

つまり、マイクの先端を出す穴が衣装になくてはなりません。
例えばタートルネックのニット。隙間もありませんよね。なので衣装部さんは胸元にマイクを通す穴を作っています。

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