1984年、大劇場で10年ぶりに上演されたのが「ガイズ&ドールズ」。
1950年ブロードウェイで初演、1955年には映画化されたこの作品は、ブロードウェイで最も陽気なミュージカルと呼ばれた傑作。明るく楽しく粋なこの作品は宝塚でも高い評判を受けました。
演出は酒井澄夫、訳詩に岩谷時子、振付には山田卓を招き、初めてフィナーレナンバーも付きました。
主な配役は、スカイ・大地真央、サラ・黒木瞳。
「ガイズ&ドールズ」をきっかけに、宝塚らしさを尚いっそう高めたミュージカルが数々上演されていきます。
1987年には月組で「ME AND MY GIRL」が上演。「ガイズ&ドールズ」同様、コメディータッチの明るい作品で、同じ年に同じ月組で再演されるほどの盛況ぶり。
1988年にはコール・ポーターの名曲で有名な「キス・ミー・ケイト」が花組で上演。
1993年には月組で、トミー・チューンの演出が話題を呼んだ「グランドホテル」が上演されます。
そして1996年。ウィーン・ミュージカル「エリザベート-愛と死の輪舞-」が小池修一郎の潤色・演出により上演されます。
初演は雪組で、主な配役は、トート・一路真輝、エリザベート・花總まり。
同じ年に星組で上演され、その後、5組すべての組で上演されるほど、宝塚歌劇団の代表作とも言われる作品になりました。
その後も、映画でも有名な「雨に唄えば」、オペラ座の怪人の「ファントム」など、数々の海外ミュージカルが上演されました。
宝塚歌劇団で上演されたこれらの海外ミュージカルは、東宝ミュージカルや劇団四季、様々なカンパニーでも上演されていますが、その多くを日本で初めて紹介した、つまり「日本で初めて上演したのが宝塚歌劇団」というのは特筆すべき点でしょう。
「オクラホマ!」「ウエストサイド物語」「回転木馬」「ME AND MY GIRL」「エリザベート」……
これにより宝塚ファン層は広がり、また日本のミュージカル界に大きな影響を与えました。
スタッフや生徒たちにとっては常に挑戦でした。ダンスや歌の技量や体力の限界への挑戦。名作というプレッシャー。だけど宝塚らしさは決して失ってはいけない……
そんな思いから生み出されたものは、お客様が感じて下さっていることでしょう。
今後もオリジナル作品同様、「これぞ宝塚!」な海外ミュージカルを楽しみにしましょう。
さて現在(2006年10月)日生劇場では「オクラホマ!」を月組にて上演しています。主な配役は、カーリー・轟 悠(専科)、ローリー・城咲あい。
宝塚歌劇団での初演から約40年たちますが、作品自体のよさを残しつつも、現代の観客を楽しませる作品となることでしょう。