歯を出してしばらく笑顔を作っていると、上クチビルがハグキにくっついちゃうのよね。で乾いちゃって下に下りなくなっちゃうのよね。
下ろそうとして上クチビルをモゾモゾさすと、結構痛いのね。これには悩まされたわね。
特に私はハグキが大きかったようで、袖に入った途端、手を使って上クチビルを下に戻していたわね。
（ラインダンスに限らないことだったので、研6の時にやっと前歯4本を差し歯に変えました。だいぶ解消されました。）
それにしても……今年の初舞台生は88期生。私は……68期生。20年。
あの時生まれた赤ちゃんが成人式を迎えるってことよね。当たり前ね。
そんな年月にも驚いたけど、もっと驚いたのは、いっしょに初舞台を踏んだ同期生が組長として「ただ今より、初舞台生の口上を……」とアナウンスしているのよね。
これには椅子からずり落ちそうになったわね。
ひとつのことを長年やり続ける力って、計り知れないパワーがいると思うのよね。
だから「えらいっ！」と痛感するのよね。誇りに思えるのよね。
お芝居では本人曰く“すごーくいい人”を好演し、ショーでは誰よりも体を使って踊っていたわね。
なんだか涙が出そうになるのよね……。すでに退団した同期生全員の分まで頑張ってくれているようで……。
「あたしたちの初舞台はひどかったよねぇ～」と、20年前のことを昨日のことのように笑いながら話せるのも、同期生だけよね。いいもんよ。
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