「宝塚ファン」ではメールマガジンのバックナンバーを公開していません。また申し訳ありませんが、再発行もできません。ですので不定期に、バックナンバーを少しずつご紹介いたします。(中略)
【64号 2002年5月31日発行】
■盆は廻る~番外編
さてお約束どおり「盆は廻る~番外編」。まずは、宝塚以外の舞台でのお話です。
退団後『レ・ミゼラブル』に出演したのですが、あの作品「使わにゃ損!」というばかりに盆を使っています。宝塚のようにカーテン前や銀橋での場面はないから、場面転換はすべて盆。おまけに照明が暗い!
動いている盆に乗り込む時の怖いことと言ったら、毎回、勝負師の気分です。どこからが盆や~!
不幸中の幸いは、そうやって舞台上でジタバタしている姿――まだ涼しい時に「冷たい?」と足先をおそるおそるプールにつけるような――が、あまりに暗すぎて客席からは見えないことでしたが。
盆廻りしている上でワルツを踊るのですが、これが堪りません。衣装はワッカのドレス。とにかくグルグル廻る振り。
まさに「盆は廻る 私も廻る そしていつしか目が廻る」状態。遊園地のティーカップに乗り、真ん中のハンドルをぐるぐる回した感じ。
私と組んで踊って下さったのが森田浩平さんと福井貴一さん。浩平さんは、その時の出演者の中で一番背が高かった。貴一っちゃんは、やたら足幅が広い! 私はずーっと爪先立ちになったり、付いて行くのが必死だったり、ぐいんぐいん廻されっぱなし。
思いましたね。宝塚の男役さんはテクニシャンだわ……。宝塚の男役さんと踊るのが、いかに踊りやすかったということを再認識。
って、浩平さんと貴一っちゃんのリードが悪いのではありませんのよ。男役さんとずーっと踊っていたから、本物の男性と踊るのに慣れていないというだけのこと。