市販のタイプの櫛の部分はプラスチックでできている。でもオバンぐしは細い針金で出来てる。プラスチックをピンでは止めにくいけど、針金なら簡単。固定しやすい。
おまけに針金は変形自由だから、コサージュに対して長すぎれば、ペンチやハサミで切って短くすることもできる。
つまり『オバンぐし』とは、髪飾りを縫い付けておくための針金でできた櫛。おわかりいただけました?
こうして娘役さんは少しでも早替りがスムーズに遂行できるよう、アレコレ工夫しているのです。
それと時間の問題だけじゃない。落とさない――これが肝心。
舞台上で落としてしまったらカッコ悪いのと、それ以上に、それを他の生徒が踏んですべってケガでもしたら大変だから。「あぁ、落ちそう……」と感じながら踊ったりするのもイヤだしね。
と言うわけで『オバンぐし』の巻――完――。
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