これも立派な宝塚用語でしょう――退団同期――。
退団に関しては以前お話しましたが、宝塚の公演、数名の退団者がいるのがほとんど。
退団者の学年はもちろん様々。その中にはトップスターもいれば、う~んと上級生もいれば、初舞台を踏んで間もない生徒さんも。
人数も、2名ぐらいの時もあれば、10名ぐらいの時も。
学年も人数もその公演ごとに違うけれど「いっしょに退団する生徒」のことを“退団同期”と呼びます。
“退団同期”なる言葉があるからには、普段とは違う何かがあるのか……何かをするのか……。はい、多少ですが、いっしょにすることがあります。
それは、ご挨拶。
舞台初日開演前に「この公演で退団します! 千秋楽までヨロシクお願いします!」なんて感じで、退団者一人一人ではなく“退団同期”いっしょに回ったりするのです。
それから千秋楽のセレモニーの稽古に対してのご挨拶。
ちょっと話が飛びますが……千秋楽のセレモニーと聞いてファンの方が思い浮かべるのは、トップさんやスターさんのサヨナラショーですよね?
その舞台稽古があるのはもちろんおわかりでしょうが、サヨナラショーがない場合、つまり、トップさんらが退団しない公演の時にも、退団者は黒紋付に緑の袴で大階段を降り舞台で挨拶をしますよね。この場合でも、前日にちゃんと舞台上で稽古が行われるのです。もちろん、出演者全員で。
で……話を戻します。千秋楽に関しての稽古、このお願いのご挨拶。「本日終演後の千秋楽のお稽古、ヨロシクお願いします!」なんて感じで。