新人公演とは“下級生”“中堅”と呼ばれる若手の生徒によって行われる公演です。学年でいうと、初舞台を踏んだばかりの生徒から、研7(研究科7年の略。入団して7年目)までの下級生たち。(研8までの場合もありました。)
宝塚大劇場、東京宝塚劇場で行われる通常の公演――本公演――は約一ヵ月半。新人公演は、その期間中たった1回だけ、本公演と全く同じ作品を上演します。本公演はその組の生徒全員(約70名)が出演しますが、新人公演は約50名ぐらいになります。
芝居とショーといった二本立ての公演の場合、通常、芝居を取り上げますが、ショーを新人公演とする場合もあります。
この新人公演は、若手育成の場。本公演では“大きな役がまだもらえない”“台詞をしゃべったことがない”“いつも後ろの方で踊っている”といった生徒たちが、自分より上級生の役を与えられることにより、主役を演じられたり、台詞が言えたり、前列で踊れたり……するわけです。
演出家などスタッフらは新人公演によって、若手たちの実力や魅力を知るきっかけになり、成長の度合いを感じることができます。今まで一度も台詞を話したことのなかった生徒が、実はとてもいい声だと知ったり、かわいい役が似合うと思っていた生徒が、大人っぽい役を演じられるようになったなぁ…と感じたり。
ですから新人公演の成果は、今後の配役を決める上での目安となるでしょうね。将来トップスターになる素質を持った生徒を見出すきっかけともなります。