宝塚ファン/宝塚歌劇の舞台とバックステージ

舞台機構Part2 恐怖の「大階段」!(2ページ目)

宝塚歌劇に古くから伝わる恐ろしき怪談物語――。宝塚のシンボル・大階段は、こ~んなに怖い代物なのです。

桜木 星子

執筆者:桜木 星子

宝塚ファンガイド

位置が取りにくい

本舞台だと生徒さんは、舞台一番前に付けられた番号か「通路から上手に三つ目」と、客席の席で自分の位置を決めます。または「〇〇さんと〇〇さんの間」とか「〇さんより、右足、一歩、下手」などというように。

これが大階段上ではなかなか難しいのです。客席はあまりにも遠い、前列の人を見るとどうしても下を向いてしまう……。バミリのテープがすべてに付いているわけでもありませんし。でもそれなりにこなしてしまう。慣れでしょうね。


衣装が怖い

本舞台ででも、靴が衣装に引っかかるなんてことはしょっちゅうあります。これが大階段上で起きると最悪です。また、自分の衣装を踏んづけなくても、前列の人のドレスの裾を踏んづけそうになる。これはもっと最悪。共倒れ……共落ち?


揺れ

やっぱり少しは揺れるもんです。もちろんしっかり固定されていますが、大勢でだだだーーっと上がったり下りたりする場合はね。旧・東宝劇場の大階段、あの地震のような揺れは悲惨でした。


段数を覚える

一段一段に「ここは何段目でーす!」と書いてあるわけではありません。振り付けの時に決められた自分の段数を覚えるのは結構タイヘンです。ただ下りるだけなら問題はありませんが、上がったり下りたりと、大階段上で踊る場合は。


何かを落としたら?

持ち道具(シャンシャンやステッキ)や帽子を落としたり、靴が脱げてしまったら……? 一段二段の届く範囲なら拾えますが、ころころと転がり落ちてしまったなら救いようはありません。かわいそうですが、サヨナラ。どうか人間だけは落ちないで…と願うばかりです。
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