初日が開いてしばらくすると“代役”の存在が気になってきます。「もし○○さんが休演してしまったら?」そんなこと想像したくないけれど、“もし”が“うっそ~大変!”になるかもしれない。だから、付いている代役のセリフや歌、ダンス、動きを覚えておこうと思ってしまうのです。
舞台の袖や花道の揚幕からこっそり(堂々とでは失礼でしょ?)見るのですが、これがなかなか覚えられない。だって自分も舞台に出ているから。
この場面を覚えたいと思っても、その時早替りをしていたら見れない。同じ場面に出ていたら見れない。上級生のお手伝いをしていても見れない。
つまり、いざ代役になった時、自分のやるべきことを完璧に把握している人って、あまりいないということ。“新人公演で同じ役をやった”という運のいい人を除いては。
こんな悪条件の中、いざ代役となるとそれなりにこなしてしまうタカラジェンヌって……結構スゴイぞ! と思いません?
また、たったひとりの生徒が休演しても、とても大勢の生徒が代役をすることになります。
例えばAさんが休演するとしましょう。
まず芝居編。Aさんの代役をBさんがします。じゃあBさんの役が抜けてしまいますね。だからBさんの役をCさん、Cさんの役を……となっていくわけ。
ショー編。ショーではいろんな人が分担することになってます。この場面のAさんの代役はBさん、この場面の代役はCさん……となり、それぞれ代役をする人の代役もどんどん増えていく。まるでネズミ算!