宝塚以外の舞台では、顔寄せ、顔合わせなんて呼ばれるけれど、宝塚では集合日。
うん、わかりやすい。その公演に関係するスタッフと生徒全員が集合する日なのですから。
この日はどこか、いつもの稽古日と気持ちが違います。
新鮮な気分、期待、緊張……。
又、その公演で退団する仲間がいると、淋しさもプラスされます。
稽古場に入ってまずすること、それは香盤発表(配役発表)です。
稽古場の隅に貼られた香盤表は、結構小さな紙の分際で、存在感だけは大きい!
生徒たちはそこに何気に群がります。そしてひたすらメモる。
心の中で「やった~歌のソロの役が付いた!」ひたすらメモる。
「今回も、出番、少ない…」ひたすらメモる。
「上級生の頭でよく見えない」背伸びをしたりして、下級生もひたすらメモる。
そうやって、自分の出番や配役を把握します。
ここからが、集合日という儀式の始まり始まり。
稽古場の前面に、スタッフ。
向かって、たくさん並べられた長椅子に生徒。座る席順は、もちろん上級生順。
でもトップ娘役さんだったりすると、同期生と離れて最前列に座ったりします。誰が決めた席順でもなし。自分の座る席はこの辺……と、それは自分でわかるのです。
まずプロデューサーの挨拶、公演の日程や概要などのお話から始まります。
次に演出家をはじめとするスタッフの紹介、特別出演の専科生の紹介、退団者の紹介などなど。
そして今度は、演出家自身から、作品についての簡単な説明があります。
芝居の場合、時代背景や大まかなストーリー、ショーなら、テーマや狙いなど。
段々、稽古が始まった緊張感を感じてきます。