五組中三組のトップスターが相次いで退団するという事実に、ファンの方々は驚きを隠せないのではないでしょうか。星組のノルさんこと稔幸さんが退団を発表して、まだ三カ月も経っていません。1月からの東京宝塚劇場こけら落とし公演では、月組のマミちゃんこと真琴つばささんが東京でのサヨナラ公演を行なったばかり。
トップ――頂点を極めた人が次に選ぶのは退団なんて、なんだか淋しい気がしませんか? もっと見ていたい、もっと応援したい。宝塚のトップスターとしての貫禄をどんどん感じさせてくれる彼女たちとお別れなんて……。しかし歴代のトップさんたちと同じく、次の世代にバトンタッチしなければならない。こんなにトップが退団して大丈夫なの?宝塚……それはバトンタッチされた人たちが頑張っていきます。これも「宝塚」なのかもしれません。
マミちゃん、ノルさん、タモちゃんそして雪組トップのイシちゃんこと轟悠さんは同期生。同期から4人ものトップスターが生まれたなんて! なんと優秀な期なんでしょう。思えば彼女たちは、私が研4(研究科4年=入団して4年)になったばかりの花組公演『愛あれば命は永遠に』で初舞台を踏みました。あの時のラインダンスを踊っていたかわいい(今もだけど?)初舞台生がトップスターになり、そして退団を決める人もいる。月日の経つのは早いものです。
月日の経つのは早いけど――でも、彼女たちが頂点に登りつめるまでに、どれだけの苦労をしたことでしょうか。あの初舞台の頃、自分がやがてトップスターになるだろうとは本人も思わなかったことでしょう。元々スターになる素質を充分に持っていた彼女たちですが、ここにくるまでどれだけ苦しみ涙し、自分と戦ってきたことか。尊敬――この一言に尽きます。