画質確認
フルHD画面では映像の粗が目立つ、DVDビデオ素材(480/60i)を用いて、スケーリング時の画質を比較確認しました。プレーヤーにはDENON DVD-A1UDを用い、HDMI出力から480/60iで出力。比較のベースは、出力をそのまま、最高峰の画質と称されるプロジェクターJVC DLA-HD950に接続し、プロジェクター側で1080pにスケーリング。もう一方は、480/60iの映像を、Radiance XSで1080pにスケーリングして、JVC DLA-HD950に接続。
つまり、JVC DLA-HD950のスケーラーと、Radiance XSのスケーラーの比較です。
まず、インターレースからプログレッシブに変換するI/P変換では、輪郭部分にジャギーと呼ばれるギザギザが現れるのですが、Radiance XSのほうが、よりジャギーが少ない結果となりました。この差は僅かですが、JVC DLA-HD950は、HQVの優秀なスケーラーチップを搭載しているにもかかわらず、違いが確認できたのは驚きでした。
次に、Radiance XSが得意とする、ノイズ除去の能力を確認しました。Radiance XSは、独自の「No-Ring Scaling」技術により、スケーリング時、輪郭の周囲にモヤモヤと現れる、リンギングやモスキートノイズを低減でいるとしています。
そこで、プレーヤーと薄型テレビを用意し、480pから1080pへのスケーリングで比較してみました。
写真Aは、テレビ側でスケーリングしたものです。文字の周囲に、元の映像にはないであろう、グレーのモヤモヤが見えます。一方、写真Bは、Radiance XSでスケーリングしたものです。モヤモヤが無く、クリーンなのが分ります。
この効果は、元映像のディテールを破壊する事がなく、画面全体がスッキリと見通しが良くなる印象です。
ブルーレイの1080p映像も、Radiance XSを通すと同様の効果が得られるようで、ピントの合っている被写体はよりディテールが鮮明に、背景などのボケ味は本来の柔らかさが感じられ、総じて、奥行き感のある上質な映像が楽しめます。
他にも機能盛りだくさん!
その他、入力毎のアスペクト比設定もきめ細やかに、そして自由自在に調整が可能です。例えば、4:3の映像を16:9へと横方向に引き伸ばすのも、中央部分をののままに、映像の端だけを思い通りの比率で引き伸ばせます。4:3のまま見たい人は、両サイドの黒帯の明るさを調整したり、とにかく、考えうる、ありとあらゆる調整が出来ます。他、入力および出力映像信号の種類や詳細を表示させる事ができ、いろいろな接続テストや画質評価を行うのにも大変便利です。このあたりは、プロ用の機材であることを感じさせます。
どんな人が買うのか?
Radiance XSは、いろいろな映像ソースを接続する、ホームシアターユーザーに適しています。ホームシアターの本場アメリカでは、インストーラーと呼ばれるホームシアター専門の施工業者が、システムに組み込んで、操作もオートメーションの配下に置かれますので、ユーザーがRadiance XSを調整したり、操作する事はなさそうです。日本でも、インストーラーと呼ばれる業態が盛り上がりつつあり、Radiance XSを取扱う、ハイエンドなお店も登場しています。一般的なユーザーの場合、設置や調整は、インストーラーに任せましょう。また日本では、映像マニアも多くいますので、そのような方々は自身で隅から隅まで調整を楽しむのも良いでしょう。
■SENCORE Radiance 取扱店 (2009年11月現在)
・アバック グランド新宿店
東京都新宿区西新宿6-6-2 ヒルトン東京B1F / Tel 03-5908-8022
→最新情報は、SENCOREのホームページでチェックを!