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2009年ドラマベスト5は「現実と向き合う」(3ページ目)

恒例企画、今年のドラマを通して2009年を振り返ってみましょう。最初に結論をいっておくと今年のドラマ、最大のテーマは難しい問題が多い中「現実と真摯に向き合う」だと思います。

黒田 昭彦

執筆者:黒田 昭彦

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1位を逃した『JIN -仁-』

JIN-仁- DVD-BOX
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1位にいく前にそれを寸前のところで逃した『JIN -仁-』について。

気合の入った初回を見た時点で「これは順当に行けば今年のベストだな」と思ったのですが、一抹の不安があったのは結末のつけ方。原作コミックが未完でドラマオリジナルな結末をどうつけるか、それにヒットするとパート2や映画化などの邪心が入るんじゃないかと。

不安は的中、いろんな謎は解かれないまま、どうみても続きがありそうに終わってしまいました。パート2や映画をつくることが悪いとはいいません。しかし最初に提示した謎を放ったらかしというのでは一つの作品として完結したとは思えません。『坂の上の雲』の評価は再来年だというのと同様に、今年のベストとしては対象外。

世間でも終わり方についていろいろといわれてますが、個人的にはパート2や映画化が悪いとは思っていません、より長く楽しめるのですから。ただ中途半端な状態でほっとかれたくはありません。スケジュール等を調整していてまだ発表はまだできない状態だというのであれば、最後に「第一部完」ぐらいつけてくれれば納得できたのですが。

今年のワースト『仮面ライダーディケイド』

仮面ライダーディケイド VOL.1 [DVD]
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TBSは『JIN -仁-』の終わり方についての問い合わせに「ドラマで完結。今言えるのは、今後の予定は全くないってこと」とかたくなに否定しているそうです。

この対応の原因は『仮面ライダーディケイド』も最終回でまったくはなしが終わらず、ドラマ終了直後に映画の予告編に入ったことについて、BPO(放送倫理・番組向上機構)からテレビ朝日に対して質問が入った前例を意識したからでしょう。

その『ディケイド』の終わり方についての質問に対するテレビ朝日・東映の回答は「あれで完結している」ということで、視聴者側の見方とまったく違います。本気でそう思っているのか、それとも本当のことはいえないのか?

『ディケイド』のさらに悪いところは「平成ライダーシリーズ」の過去の映画版の例からいって、たぶん地上波では放送しないことです。普通の連ドラの映画版はだいたい一年強待てば地上波放送されます。この年末には昨年公開の『花より男子F』『特命係長只野仁 最後の劇場版』『ガリレオ』の映画版『容疑者Xの献身』が放送されるなど、待てば見ることができます。
ところが『ディケイド』の場合は、たぶん地上波でもBSデジタルでもしない。スカパーなどで放送される「テレ朝チャンネル」や「東映チャンネル」といった有料放送しかしなくて、映画館にいくかDVDを見るか何がしか金を払わないといけない。さすがに「そんなに儲けたいか?」といいたくなってしまいます。そんなことではそのうち見放されるような。

正しいスタイルは『ライアーゲーム』が「シーズン2で四回戦と準決勝を、映画で決勝をやります」と発表したように、できるだけはやく正直にいうことでしょう。そうすれば視聴者としても裏切られ感はありません。商売は客に正面から向き合い、誠実にしないと。

そして1位は厳しい現実と向き合ったこれ
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