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2009年ドラマベスト5は「現実と向き合う」(2ページ目)

恒例企画、今年のドラマを通して2009年を振り返ってみましょう。最初に結論をいっておくと今年のドラマ、最大のテーマは難しい問題が多い中「現実と真摯に向き合う」だと思います。

黒田 昭彦

執筆者:黒田 昭彦

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3位『侍戦隊シンケンジャー』

侍戦隊シンケンジャー VOL.1 [DVD]
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「歴女」が流行語になり、歴史・時代劇の人気が復活している中、チャンバラが原点でそのノウハウを刑事ものやヒーローものに展開するのが得意な東映がもろにチャンバラと変身ヒーローを合体されるとさすがにおもしろい。
現代において「殿と家来」の関係にある侍たちが戦うという一歩間違うとトンデモになりかねない設定を「現代における侍の生き方とは何か」ということつきつめて納得させる描き方で、戦隊シリーズ屈指のデキです。あと一ヶ月強、放送は残っていますが、失望させる結末とはならないでしょう。

ここで「戦隊シリーズ」をあげたのにはドラマとしての良さ以外に意味があります。テレビドラマには作り方に大きく二つ流れがあり、テレビ局系でビデオを使ってつくるものとと映画会社系でフィルムで撮影するテレビ映画です。ビデオが性能アップするにしたがって、失敗したフィルムは再利用できないなどコストのかかるテレビ映画は減っていき、ビデオのハイビジョン化がそれに拍車をかけました。
最後の孤塁を守っていたのが「戦隊シリーズ」でしたが『シンケンジャー』からついにハイビジョンに転換。前作と比べてまったく違和感のない映像で、ビデオ収録とテレビ映画の統合が完了したといっていいでしょう。

また、昔からビデオドラマをメインとしていたNHKは『白洲次郎』や『坂の上の雲』は映画的なタッチの映像にしています。以前はこういう映像は一般ウケしなかったものですが『坂の上の雲』は高視聴率を獲得、ようやく受け入れられるようになったようです。

ちなみに『坂の上の雲』は未完なので2009年ベストの対象としていません。いれるとすれば完結する再来年に。

2位『リミット~刑事の現場2~』

リミット 刑事の現場2[DVD]
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『相棒 劇場版』がヒットした昨年に続き、今年も刑事・事件ものが好調。事件ものじゃない一般の連ドラ枠でも木村拓哉の『MR.BRAIN』を筆頭に『キイナ』『BOSS』など多く制作されました。

その中で一番エッジがたっていたのがこれ。前作の『刑事の現場』はNHK名古屋が報道での取材をもとに、リアルな警察を描きNHKらしいドラマでした。パート2は脚本に『女王の教室』など異色作が多い遊川和彦が加入したためか、前作のリアル要素に人間の暗部を描くダークさがプラス。『羊たちの沈黙』に代表される異常犯罪を扱ったフィクション作は犯人が人の考えや行動をとんでもなく正確に当てるスーパーマンになり現実味を失いがちなのですが、このドラマはギリギリのところで現実に踏みとどまっています。

主演の森山未來は共演の武田鉄矢に「今後大河ドラマの主役を取るだろう」という演技をみせています。神戸出身の森山未來、来年の1月17日放送の阪神・淡路大震災15年特集ドラマ『その街のこども』にも主演するなどNHKにも好まれているのでたいが主役もありえないはなしじゃありません。
武田鉄矢もいままでにないキャラを『BOSS』の爆弾犯と立て続けに演じ(放送は『BOSS』の方が先だけど、撮影は『リミット』が先)新境地を見せています。

1位の前に1位を逃したドラマを
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