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2009年ドラマベスト5は「現実と向き合う」

恒例企画、今年のドラマを通して2009年を振り返ってみましょう。最初に結論をいっておくと今年のドラマ、最大のテーマは難しい問題が多い中「現実と真摯に向き合う」だと思います。

黒田 昭彦

執筆者:黒田 昭彦

ドラマガイド

いよいよ押し迫ってきました。恒例企画、2009年のテレビドラマ・ベスト5です。今年のドラマを通して2009年を振り返ってみましょう。

最初に結論をいっておくと今年のドラマ、最大のテーマは難しい問題が多い中「現実と真摯に向き合う」だと思います。

それではまずは4位と5位です

5位『深夜食堂』

深夜食堂 1(コミック)
深夜食堂 1(コミック)
深夜0時開店の食堂でマスター(小林薫)が懸命に生きている客を見守る昭和風人情劇。人間ドラマとしての味わいも深いですが、毎回のタイトルにもなっている料理のおいしさが出色。「赤いウインナーと卵焼き」「猫まんま」「お茶漬け」「ポテトサラダ」……グルメドラマはいろいろとありましたが、凝った料理よりシンプルな方がドラマではおいしくみえます。

ガイドおすすめは第五話『バターライス』、流しの歌手ゴロー(あがた森魚)と売れっ子料理評論家(岩松了)をめぐるドラマも、アツアツのごはんにバターをのせ、ちょっと醤油をかけるだけとこの上なくシンプルなバターライスも最高です。これから放送される地域もあるようですからぜひ。

制作は大阪のMBS毎日放送。TBSが4月に改編率80%という大幅な放送枠見直しを行い、名古屋のCBC中部日本放送と交代で制作していた昼ドラ「ドラマ30」枠がなくなったため深夜枠に鞍替え。『漂流ネットカフェ』『帝王』とエッジのたったドラマをつくっています。今後もがんばってほしいものです。

4位『黒部の太陽』

黒部の太陽 DVD-BOX
黒部の太陽 DVD-BOX
フジテレビ開局50周年の気合の入ったドラマ路線。昨年の『風のガーデン』は大ヒットしたものの、山田太一脚本の『ありふれた奇跡』と山崎豊子原作の『不毛地帯』と連ドラ作品は内容はともかくヒットとはいえない状況です。
山田太一脚本は近年、作者が書きたいものと視聴者が見たいものが離れているし、山崎豊子作品では映画『沈まぬ太陽』が時代にぴったりあっているのに対して『不毛地帯』はなぜ今なのか、というのがわかりにくい。そんな不利な状況をフジテレビの力量でどこまでできるか、というのが見どころでしたが、やはり難しかったようです。

そんな中でスペシャルの単発の50周年記念作品『黒部の太陽』は困難なトンネルづくりを迫力のある内容と映像で描き、さすがフジテレビというところを見せてくれました。有名な石原プロの映画版は「映画館の大迫力の画面・音声で見て欲しい」という石原裕次郎の意向でビデオ・DVD化されず、さらに映画館が多くなった現在でもなぜかめったに上映されないという中で、その代わりとしての役割を担えます。

今年も昭和にプレイバックしたドラマは多いのですが、『不毛地帯』に『官僚たちの夏』と連ドラは不振で、『黒部の太陽』に渡辺謙が伝説の刑事・平塚八兵衛を演じた『刑事一代』などスペシャルドラマの方がヒットしました。

(4位と5位は「小林薫祭り」でした)

続いて2、3位
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