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経済危機の今だから高度経済成長を描く(2ページ目)

山崎豊子と城山三郎原作による高度経済成長時代を描く連ドラが相次いで登場。NHKからは日露戦争の勝利を描いた司馬遼太郎原作『坂の上の雲』も登場。かつての成功をどどうみる?

黒田 昭彦

執筆者:黒田 昭彦

ドラマガイド

スケバン刑事にちなんで

メイド刑事 1(コミック)
メイド刑事 1(コミック)
7月からのテレビ朝日系金曜ナイトドラマ枠は福田沙紀が民放連ドラ初主演する『メイド刑事(デカ)』。

原作は早見裕司氏の同名小説。主人公は京都の豪邸で働くメイドの若槻葵。フリフリのメイド服にメガネ娘という萌えキャラだけど、元レディース総長で京都府警の特命刑事という裏の顔を持つ。特製モップ・キューティー☆クリーナーで悪を蹴散らしていく。決めゼリフは「誰が呼んだか存じませんがわたくしの名はメイド刑事・若槻葵! 悪の汚れ、お掃除させていただきます」。

共演は京都府警本部長を原田龍二、葵に協力する刑事を的場浩司、他に大島蓉子、品川徹、中山恵、かでなれおん。

福田沙紀は本名ですが、名前の由来は母親が「正義感を持った子に育ってほしい」と『スケバン刑事』麻宮サキにちなんでつけたとのこと。『スケバン刑事』で武器のヨーヨーに仕込まれている「桜の代紋」、『メイド刑事』では衣装のブローチとしてデザインされています。母の願いでヒットなるか?

【関連リンク】
『メイド刑事』公式サイト


橋田脚本の原点

7月からのTBS系水曜ドラマは76年にNHKで放送された橋田壽賀子脚本の『となりの芝生』をリメーク。

『となりの芝生』は平凡に暮らしていた次男の嫁。高平知子が突然、姑・志乃が長男夫婦と折り合いが悪くなったため同居。それにより発生した嫁姑問題を赤裸々に描いて大ヒット。オリジナルでは嫁・山本陽子、姑・沢村貞子を今回は実生活でも新妻の瀬戸朝香といままでとは逆の役柄の泉ピン子が演じる。

ほかの出演に大倉孝二、松尾瑠璃、芽島成美、渋谷飛鳥、水町レイコ、三浦理恵子、大杉漣ら。

橋田脚本では『となりの芝生』以前も『愛と死をみつめて』や朝ドラ『あしたこそ』などのヒット作がありますが、嫁姑を中心にホンネむき出しの『渡る世間』に至る路線になったのはここから。原点といえる作品です。

7月1日スタート。

【関連リンク】
『となりの芝生』公式サイト


水商売ものはヒットする

現在『漂流ネットカフェ』を放送中のTBS深夜枠(首都圏では水曜深夜)、7月からはビッグコミックスピリッツに掲載された倉科遼のコミックが原作、塚本高史が民放連ドラに初主演する『帝王』。

舞台は夜の世界。坂木了(塚本)は友人が彼女をナンバーワンホスト・連城透(山田悠介)に奪われ、行きがかりで了もホスト咲輝凌となり連城に勝負を挑む。強い信念、友情を武器にのし上がる姿を描く。

他の出演に長澤奈央、袴田吉彦。

NHK『監査法人』に続いての主演となる塚本は「友情だったり、人との出会いだったり、“人情ドラマ”でもあることを見てもらえば面白いと思います」とコメント。

倉科遼作品は水商売ものを得意としていてキャバクラの『嬢王』、ホストクラブの『夜王』、銀座のクラブの『女帝』とドラマ化されすべてヒット。倉科作品以外でも『黒い太陽』や『ギラギラ』などヒットの宝庫です。

7月15日スタート。

【関連リンク】
『帝王』公式サイト
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