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春ドラ概況:ごくせんのライバルは前作と…(2ページ目)

春ドラマは『ごくせん』が好成績。しかしまだひとり勝ちとはいえません。木村拓哉『CHANGE』が控えてます。視聴率トップを奪取するためあんな手やこんな手を使ってくる?

黒田 昭彦

執筆者:黒田 昭彦

ドラマガイド

合格ライン(フジ系)

合格ラインの視聴率15%前後にあるのはフジ系、TBS系が二つずつでまずはフジ系。

『ラスト・フレンズ』は若手人気俳優をそろえて、それぞれに問題を抱えさせていますが、まずは藍田美知留(長澤まさみ)が同棲相手の及川宗佑(錦戸亮)にDVされているショッキングな展開を中心にして人気です。
ただDVを引っ張り過ぎて、全体の展開が遅いところが気になります。もうちょっと早めにシェアハウスに全員集合してそれぞれの内面を掘り下げた方がいいような。妊娠している未来の美知留のモノローグで今後の悲劇的な結末を暗示させていますが、そこに至るまでの展開に無理がなければいいのですが。

『絶対彼氏』は恋人型ロボット・天城ナイト(速水もこみち)をめぐる恋愛ドラマという無茶な設定のわりには意外にしっかりしたドラマで破綻なくストーリーが展開していきます。速水もこみちのロボット役を筆頭に、相武紗季の少女コミックらしいドジなヒロイン、『仮面ライダーカブト』を思い出させる水嶋ヒロとメインの3俳優それぞれにピッタリあった役をふったのも見事。

合格ライン(TBS系)

『ROOKIES』は『ごくせん』と同日スタート、不良をスポーツを通して更正させるのは『スクール☆ウォーズ』的、主人公が現国の先生で国語的に説教するのは『金八先生』的、夢を応援するのは『フルスイング』的といろんな学園ものパターンを集めてます。
国語的説教が「燕雀いずくんぞ鴻鵠の志を知らんや」や井伏鱒二『山椒魚』を持ち出すところなどはオリジナルを超えているような。
見てわかった問題は不良の男子生徒を集めて、先生まで男だとあまりに画面が殺伐としすぎることですね。『スクール☆ウォーズ』ではOKでしたが、あの時代だったら通用したのか、それともテレビ映画とビデオドラマの違いなのか、ともかくつらいですね。女生徒メインの村川絵梨やマドンナ先生の吹石一恵、インターネット投票で選ばれた高山都がいても焼け石に水。女教師主人公の『ごくせん』は正しかった。
それでもイケメン効果か視聴率は上り調子。気になるのは放送枠で、5月24,31日は五輪バレーボールの世界最終予選のため二週連続休止。土曜20時では同じようなことが今後も何度かおきそうで、休止しても忘れられず、次を渇望させるような展開が必要でしょう。

『Around40』はドラマをよく見る世代である40歳前後の女性の悩みをテーマにしたところが成功要因。初回はナレーションや劇中でグラフを持ち出してきたり、緒方聡子(天海祐希)の精神科医としての活動があまり描かれなかったり、ややこなれなかったのですが、2話以降は相手役の臨床心理士・岡村(藤木直人)が同じ職場になり、パターンが安定してきて楽しめます。

次は「時間枠を考えるとそれなり」

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