女捜査官主演のサイコサスペンス次にアメリカ映画『羊たちの沈黙』からくるサイコサスペンスの流れ。キーワードは「女捜査官」「天才的異常犯罪者」「プロファイリング」「トラウマ」など精神分析要素を入れてきたのが現代の社会の病理にピッタリあい各方面に影響を与えました。いち早くその要素を取り入れたのが鎌田敏夫脚本の『眠れない夜を数えて』。キャリアの警部の田中美佐子が、出世のステップとして所轄に着任するが、連続異常犯罪捜査に関わることに。二人の刑事(三田村邦彦と笑福亭鶴瓶)との関係を中心に小林稔侍、竹内力、村田雄浩、春田純一、(なぜか)川藤幸三と人間くささが魅力的な刑事ぞろい。 放送当時は雰囲気が暗かったからかあまりヒットしませんでしたが、これは隠れた傑作です。ビデオ、DVDなどは発売されていませんが、スカパー!のTBSチャンネルでたまに放送されています。 マインドコントロールそして同じパターンにもう一回挑んだのが『沙粧妙子最後の事件』。猟奇性もアップしていますが、特に強調している要素が「マインドコントロール」。ヒットになったのはこれが大きかった。以後『眠れる森』『ケイゾク。』などこのパターンのドラマはマインドコントロールを使い、ストーリー、犯人を複雑化していきました。 そんなにうまく操れるのか?ただマインドコントロール、入れるとおもしろくなるんですけど、ドラマで使われるたびにエスカレートして、そこまで人間の心を操れるのか?というようにだんだんマユツバになってきました。そんな中、サイコサスペンスとして今年ひさびさに成功した『アンフェア』。このドラマも真犯人が共犯者を犯罪へと導いていましたが、かなり説得力のある引きずり込み方でした。そしてそれを「マインドコントロール」とはたぶん一言もいってないと思います。最終回もそこそこまとまっていて感心させられました。 『アンフェア the special』さて、その『アンフェア』、10月3日にスペシャルとして帰ってきます。『アンフェア the special コード・ブレーキング-暗号解読』 連ドラ版の事件の解決後、犯人が死んだ現場に雪平(篠原涼子)は横たわる。死んだ人間が最期に見たものを自分自身で見るために。そして、雪平はある「暗号」を発見する…… さらに来年3月には、完結編として映画『アンフェア・ザ・ムービー 最期の作戦 オペレーションZ(仮)』が公開。スペシャル版で登場した公安部の斉木(江口洋介)とともに雪平がテロリストに挑みます。 |