将棋ドラマといえば『煙が目にしみる』で将棋が扱われているのは、ジェームス三木が将棋ファンだから。ジェームス三木ドラマを見るとよく登場人物が将棋を打っています。「奨励会の定年」という題材を引っ張り出したのはさすが。ちなみにこのドラマにはモデルがあります。定年・第一号になった鈴木英春元三段。今でもアマの強豪として活躍しています。将棋ドラマといえば有名なのは朝ドラ『ふたりっ子』。これも香子(岩崎ひろみ)が奨励会卒業をねらうライバルとして定年前の雨宮三段(田口浩正)と戦うため悩むというエピソードがありました(このころは定年が26才とさらに下がってます)。 二つ将棋ドラマがでてきたので、もう一つあげて三大作品にしましょう。01年放送のスペシャル『聖(さとし)の青春』。ベストセラーのノンフィクションを原作に難病を持った棋士を主人公に命の重さ、勝負への執念、師弟愛が描かれすばらしいドラマでした。 ジャズのスタンダードナンバーシリーズ話題を『愛さずにはいられない』と『煙が目にしみる』に戻して、二作のもう一つの共通点はタイトルがジャズのスタンダードナンバーであることです。銀河テレビ小説ではこのシリーズで、あと二作『夢見る頃を過ぎても』と『あなたに首ったけ』(ともに83年)があります。『夢見る頃を過ぎても』は豆腐屋の夫に蒸発された妻(十朱幸代)が年下の従業員(加藤健一)と深い仲になってしまう、しかし夫が戻ってきて、というストーリーでちょっと毛色が違います。 『あなたに首ったけ』はクビになりそうなプロ野球の二軍投手(三浦洋一)と安キャバレーのホステス(根岸)のはなし。野球選手ということで川谷拓三から三浦洋一になっていますが、ほぼ同じ趣向です。(三浦洋一もつかこうへいの劇団出身) このシリーズの実績をひっさげてジェームス三木はこのあと朝ドラ『澪つくし』を書いて一般にも名前が知られるようになります。 ホームドラマチャンネルは注目作目白押し『愛さずにはいられない』は確か、銀河テレビ小説が終わった直後だと記憶しているので89年頃再放送されましたが、『煙が目にしみる』は本放送以来なので非常に楽しみです。『愛さずにいられない』4月 7日~ 月~金 7:00~7:30など 『煙が目にしみる』 4月28日~ 〃 また4月の「ホームドラマチャンネル」は他にも注目の作品が目白押しです。 ・3月から放送している山田太一脚本の大河ドラマ『獅子の時代』 ・こないだのTBS鈴木京香版の新作とのからみか?毎日放送・小川真由美版『青春の門 第一部』(「これは」おもしろい) ・新しいところでは一昨年のテレビ東京新春12時間ドラマ『壬生義士伝』。 などなど。おすすめ作ぞろいです。 関連リンク ガイド記事「ドラマの黄金時代」 ガイド記事「テレビ50年記念・テレビ新時代」 ホームドラマチャンネル |
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