『星の金貨』
北海道の診療所に住む耳と口が不自由で捨て子だった倉本彩(酒井法子)と医師・永井秀一(大沢たかお)は結婚の約束をする。しかしその後、秀一は東京に出かけて事故にあい記憶喪失になる。彩は事故を知り東京へかけつけるが、右も左もわからぬ東京で秀一の弟・拓巳(竹之内豊)に助けられる。二人は大病院の腹違いの兄弟であり、秀一は優秀だが父(竜雷太)に反発して家をで、また勉学優秀でなかった拓巳は愛を信じない屈折した性格になっていた。
記憶喪失の秀一は、事故で知り合った祥子(細川直美)と親密になり、それを事情を説明できない彩は黙って見守るしかない。また拓巳は彩と出会うことにより素直な一面を見せるようになっていく。彼らの関係は病院のっとりの陰謀を背景にますます複雑に…
単発スペシャルの『北の国から』、昼帯の『ピュア・ラブ』ときてやはり最後は連続ドラマ、激戦の中悩んで選んだのはこれ。
本放送当初は、酒井法子こそアイドルを経て『ひとつ屋根の下』で女優としても人気を確立していましたが、大沢たかお・竹野内豊は売れてなく、脚本の龍居由佳里もだれそれ?という状況で、まったくノーマークでした。しかし始まるとせつなくも濃いラブストーリーが展開され大人気に。
『新・星の金貨』が野島伸司原案、またプロデューサの梅原幹や『続・星の金貨』脚本の山崎淳也と親しいことなどから『星の金貨』も野島伸司が名前はないけど企画に関わったといわれてます。しかし別の線からのうわさで『星の金貨』の最初の企画は北川悦吏子がだしたのだ、ということを聞いたことがあります。
北川悦吏子は脚本家として独立するまでは、にっかつ撮影所・企画部に所属し、そこにいたのが龍居由佳里と『星の金貨』もう一人のプロデューサ・佐藤敦。そのころに日本テレビに企画を提出し、後になって実現したといううわさです。
真偽のほどはさだかではありませんが、野島伸司メインでは『星の金貨』みたいなドラマはできず『続』や『新』、また『家なき子』のような悪意の勝ったドラマになったことでしょう。龍居由佳里(もしかしたら北川悦吏子も)のような、どちらかというと性善説型ドラマの要素が加わったことで、ほのかに甘い恋の味と悪の要素が渾然一体となって『星の金貨』という奇跡を生み出したのではないかと思います。
ちなみに『星の金貨』を見て感動しても、決して『続』や『新』はみないでください!
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