ドラマ/ドラマ関連情報

マルチエンディングとタイムベンド 『龍騎』はストーリーを修正する(2ページ目)

『仮面ライダー龍騎スペシャル』のウリは視聴者の投票により結末が変わる「マルチエンディングシステム」の地上波初導入。しかしホントに初めてなのか、調べてみました。

黒田 昭彦

執筆者:黒田 昭彦

ドラマガイド

しかし今まではBSやローカル深夜放送で視聴者が少ない実験的なものでしたが、今回『仮面ライダー龍騎』という人気番組で行われたことでインタラクティブドラマの新しい可能性に気がつかされました。
それは「投票に参加するなら、録画ではなくリアルタイムで視聴せざるをえない」です。ビデオ視聴でCMスキップに悩む番組スポンサーにとってものすごくメリットがあり、今後も連続ドラマで応用される可能性は大です。さらに、放送されなかったもう一つの結末も後日発売されるビデオ、DVDには収録されるそうで売上も期待できます。そのかわり制作はたいへんになるんですけど。

ところで『龍騎スペシャル』の投票結果は約3:2の比率で「戦いを続ける」。ガイドは「戦いをとめる」に投票しました。テーマからすると当然そうなるはずなんですけどね。


さて『仮面ライダー龍騎』はレギュラー版でもストーリーを修正する試みをしています。それは第28話「タイムベント」。


自ら13人目にして最強のライダーを標榜する仮面ライダーオーディンが登場。そして「戦いに修正が必要になった」といい、武器・タイムベントを使い他のライダーたちをタイムスリップさせる…


『龍騎』のスタートに戻って同じことをし、主人公の真司はたまにタイムスリップしていることを思い出し歴史を変えようとするのですがままならず、結果としてオーディンの思惑どおりストーリーが微妙に修正されていきます。しかし見ていてストーリーの修正以外に重大な意味があると気がつきました。それは「ストーリーの中に総集編を織り込んでいる」!

最近の仮面ライダーシリーズの『クウガ』『アギト』でも途中にストーリーを振り返る総集編的な回がありました。それはナレーションで説明したり、登場人物の回想という形で成立していましたが冗長な感じがします。。しかし『龍騎』ではタイムベントによりメインのストーリーの中で無理なく過去のダイジェストを盛り込むことに成功しています。
こんなタイムスリップの使い方はH.G.ウェルズもスピルバーグも藤子F不二雄も考えつかなかった荒技!(まあ彼らには総集編をつくる必要はないんですが)、感心してしまいました。

大河ドラマ(回想の多いほとんど総集編的な回があるのが伝統)や『さくら』(最後にきて回想シーンがやたらと多い)も見習ってほしいものです。
【編集部おすすめの購入サイト】
楽天市場でドラマの CD・DVD を見るAmazon でドラマの DVD を見る
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます