しかし後半、以前から小塚とまつば銀行に因縁があることをにおわせていましたが、6話でその因縁は波多野テル子(八千草薫)がまつば銀行から「相続保険」でだまされて病床に伏していることが原因であることがわかりました。
ひっくり返ったのはこの相続保険、明らかに現在も裁判で係争中の「変額保険事件」がモデルであったことです。
変額保険は加入時に一括払いすることができ、かつ一般の生命保険とは別建てで株式運用をするため死亡保険金、解約返戻金がハイリスク、ハイリターンとなることが特徴です。80年代末、バブル全盛期に大都市圏の地価が高騰し、土地の所有者の相続税もあがるため、代替わりの時に相続税を支払うために土地を手放さねばいけないといわれていました。その対策として売り込まれたのが変額保険です。土地を担保にした銀行からの融資を一時払い金として変額保険に入る、借金したことにより相続税は下がり、そして保険金で払うことができるとのふれこみでした。
しかし、バブル崩壊とともに株式の運用が行き詰まり期待を下回る解約返戻金で相続税には足りず、また銀行からの融資への利息も払えず、土地を売るか早いうちに死んで被害を軽くするしかない、と契約者はドラマと同じく悲惨な状況になっていると融資型変額保険被害者の会のサイトは銀行・生保を非難しています。
変額保険事件
この事件、売った生保と貸した銀行の説明責任、認可した大蔵省(当時)の責任、自己責任などの問題をはらんで教訓的な事例です。
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