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ドラマで描かれる金融機関 この番組はフィクションで…(2ページ目)

『ビッグマネー!』は後半に入り実在の事件に題をとり、民放のドラマとしては例がないほど銀行を悪役に描いています。ここまでやっていいの?!

黒田 昭彦

執筆者:黒田 昭彦

ドラマガイド

民放ドラマでは直接の番組スポンサーに対しては気を遣うのはよくあることです。人が急死する場合でも自動車会社がスポンサーなら自動車事故は使えない、製薬会社だと薬物は使えない、酒造会社だと急性アルコール中毒は…と限られて、建築現場でものが落ちてきて、というのがよくあるパターン。

しかしその番組のスポンサーだけでなくテレビ局全体としての大口のスポンサーにも気を遣うもので、ドラマに限らず報道でもはっきりした証拠がない限り非難するニュースはつくらないものです。

例えば、保険会社の調査員。『お金がない!』(94,フジ)は外資系保険会社の営業が舞台ですが、企画段階で調査員が主人公だったけど、途中変更になったそうです。なぜか?調査員は保険金を支払うのが適当かどうか審査する職業だけに「保険会社が保険金を払うのを出し渋っている」というイメージを与えることが嫌われるからのようです。実際、保険の調査員はミステリーものに向いた職業でありながら、ドラマで有名なのは『プレイガール』(69,東京12ch)ぐらいで、その後長らく途絶え、橋爪功主演の『冬の蛍』(97,NHK)でようやく復活、その後ちらほら2時間ドラマで見られるぐらいです。

そんな状況だったのに、いま銀行がここまで悪く描かれるのは、銀行の信用がなくなったからか、それとも広告の出稿量が減ったからなのか?

『ビッグマネー!』後半は視聴率も上向き。後は単なる勧善懲悪に終わらずに、いかに「リスクをとってリターンを得るか」というはなしにもっていくとドラマ的にもおもしろく視聴者の役にもたつと思うのですが、どうまとめていくでしょうか。



ドラマのおもしろさと金銭的教訓を高度にまとめた傑作として『淋しいのはお前だけじゃない』(82,TBS)をあげておきます。

主人公、沼田(西田敏行)はやり手のサラ金取り立て屋。暴力団の大物・国分(財津一郎)は浮気をした自分の愛人とその相手、旅芝居の座長(木の実ナナ)と女形(梅沢富美男)に復讐のため巨額の借金を負わせ、それを沼田に取り立てることを命じる。沼田は昔の縁から二人を逃がそうとするが、それがばれて自らも借金の連帯保証人にさせられてしまう。しかし客演で招かれた舞台で、二人に万札のおひねりが雪のように降ってくるのを見て、借金で苦しんでいる連中を集めて一座を組み一発逆転を狙うのだが…

金曜ドラマで放送されたのですが、視聴率が低くほとんど再放送されませんでした。しかし見た数少ない人たちは、口をそろえておもしろかったのになんで視聴率低いの?という隠れた名作です。先日DVDが発売され、ようやく「隠れた」を脱しました。

金銭的教訓としても、これを見たガイドは「借金したり保証人になったりはよほどのことがない限りやってはいけない」と心に刻み、おかげでデフレ不況の今、生き残ることができています。

このドラマを知っていると、テレビで消費者金融の広告が流れる状況は信じられないんですが、80年代前半のサラ金問題をふまえて法律など規制も厳しくなっているので、大丈夫なんでしょう、たぶん。
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