『水戸黄門』収録中に体調不良を訴え検査入院していた石坂浩二が直腸ガンであったことを自ら告白しました。すでに摘出手術を終え経過は良好と伝えられています。
俳優で直腸ガンというと91年に手術した渡哲也の例があり、復帰して現在も活躍中なので、良好ならばまずは一安心というところでしょうか。
この機会に石坂浩二の業績を振り返ると、テレビドラマを代表する二枚目俳優の一人ということができると思います。
慶応大学在学中からドラマに出演、注目を集めたのが65年の大河ドラマ『太閤記』でみんな無名だった緒形拳(秀吉)、高橋幸治(信長)とのトリオで石田三成を演じてから。
69年の大河ドラマ『天と地と』で上杉謙信で主役に昇格。
70年からの『ありがとう』では水前寺清子とのコンビで最高視聴率56.3%をたたき出します。
72年『2丁目3番地』で浅丘ルリ子と共演し、番組終了後に突然婚約を発表。テレビドラマから出た夫婦の先駆けになります。
石坂浩二の特徴は、二枚目俳優としてずーっと同じイメージを続けてきたこと。ほとんどの二枚目俳優は、年齢を重ねると性格派俳優などへとイメチェンを図るものですが、石坂浩二はバラエティで「へいちゃん」と呼ばれて(本名が武藤兵吉だから)親しまれる姿とも相まって、さわやかで親しみやすくかつ博学なイメージを貫き通して来ました。
四代目・水戸黄門でもヒゲこそつけたものの、いまだ若々しい雰囲気で攻めています。東野英治郎が築いたイメージとのギャップからか視聴率的には苦戦していますが、2シリーズ目になりかなりなじんで来たように見えます。
その『水戸黄門』、放映中の第30部は収録中のため、全26話の予定を25話に短縮、2話分は過去の出演シーンを編集して対応、次の第31部は代役のうわさもささやかれますが、今のところ復帰を待つ方針のようです。
マスコミでは『水戸黄門』の心配ばかりしていますが、もう一つ気になるのが『渡る世間は鬼ばかり』のナレーション。こちらはまだ先が長いので代役は必至。まさか浦野光ではないと思うのですが・・・(ナレーションで活躍する俳優、石坂浩二が『ウルトラQ』から『ウルトラマン』の途中までナレーションを担当し、その後、浦野光に交代した前例があります)