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マンガが原作のドラマ特集 みてから読むか読んでからみるか

以前はドラマの原作といえば当然のように小説でしたが、最近はマンガ原作が増えています。こうなったのはいつごろからでしょうか。

黒田 昭彦

執筆者:黒田 昭彦

ドラマガイド

以前はドラマの原作といえば当然のように小説でしたが、最近はマンガ原作が増えています。1月からのドラマでもマンガ原作は『サラリーマン金太郎3』『ロングラブレター~漂流教室』『ナースマン』(これは原案)とあります。

これに対し小説はなし。かろうじて4話連続のNHK『君を見上げて』があるぐらいでした。

この傾向はいつごろからか? テレビドラマができた当初からマンガを原作にしたドラマはありましたが、『サザエさん』のような新聞マンガや特撮などの子どもものぐらいでした。

手塚治虫以降の近代的なマンガが大人向けのドラマの原作になったのは、マンガそのものが対象年齢をあげて“劇画”になった時。さいとうたかを原作の『無用ノ介』(NTV,1969)など時代劇からです。

普通のドラマとしては永島慎二原作の『銀河テレビ小説・黄色い涙』(NHK,1974)あたりから。森本レオ、下条アトム、岸部シローの名前がカタカナトリオ主演で70年代フォークソング的世界を描いたドラマです。脚本の市川森一が司会していた『NHKアーカイブス』の前身番組で最終回だけ放送していたのしか見ていないのですが、リアルタイムで見た人によると哀切さが胸を打つ名作とのことです。

その後もぼちぼちとマンガ原作ドラマはありましたが、現在のように多くはありませんでした。主流になったきっかけを探っていくと『東京ラブストーリー』(フジ,1991)に行き当たりました。

91年の連続ドラマでマンガ原作はこれ一本でしたが、92年『悪女(わる)』『ホテル』、93年『家栽の人』『お茶の間』『白鳥麗子でございます』、94年『南くんの恋人』『夏子の酒』『ぽっかぽか』『東京大学物語』と増えていきます。

直前の88~90年はバブルを背景に“3高オトコをゲットしよう”というような恋愛をゲーム感覚で描くトレンディドラマが盛り上がりました。それに対し『東京ラブストーリー』はより現実的な若者の恋愛を内面から描くことがテーマで、これがバブル後の時代にあって大ヒットしました。

この10年ぐらいのドラマの主流をつくったのは『東京ラブストーリー』と同91年の『101回目のプロポーズ』、いわゆる月9の二作だと思うんですが、マンガ原作という点でも源流だったのか、と気づかされました。
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