1月3~4日、フジテレビ系で新春ドラマスペシャルとして『愛と青春の宝塚~恋よりも生命よりも』が放送されます。正当派の解説は「宝塚ファン」ガイドが取り組んでいるのでそちらにまかせて、こちらはちょっとひねった視点から見ていきたいと思います。
『愛と青春の宝塚』の企画を聞いた時からフシギに感じたことがあります。「なぜ関西テレビが関係していないのか?」です。
フジテレビ系列でその名の通り関西エリア担当、『SMAP×SMAP』や『傷だらけのラブソング』など火曜10時のドラマ枠を制作する有力局ですが、同時に資本系列としては宝塚歌劇と同じ阪急東宝グループの一員。以前、舞台中継を放送していたこともあるなど歌劇団との関係は密接。
歌劇団全面協力による『愛と青春の宝塚』も共同制作などなんらかの形で関西テレビがかんでてもよさそうですが、なぜフジテレビ単独制作なのか?
その謎は意外なところからとけました。
「なぜ松たか子のドラマ出演はほとんどNHKとフジなんですか?」という質問がきたので、「それは父親が松本幸四郎だから。NHKとは二回の大河ドラマ主演でおなじみだし、フジテレビは歌舞伎の勧進元である松竹が大株主で関係が深く、しかも『ロンバケ』『ラブジェネ』の演出・永山耕三Dは歌舞伎界の大物である松竹の会長のジュニア」と回答しました。
後で念のためにとフジテレビの株主構成を調べると、なんと松竹の持ち株が減りその分東宝が増えて、東宝が二番目の大株主になっている!(筆頭はフジサンケイグループのニッポン放送)
くわしく調べてみると、松竹が映画部門の不振で経営危機に陥った対策として、フジテレビ株を東宝に売却していました。以前からフジテレビが映画を制作したとき、配給元は多くの場合、東宝であるなどこれまでも関係がありましたが、資本が入りより関係が強まりました。
これにより『愛と青春の宝塚』関西テレビとは関係なく、フジテレビが宝塚歌劇団の全面協力を得られたようです。