4月スタートドラマの視聴率争い、序盤は『明日があるさ』『ラブレボリューション』『ラブストーリー』の戦いでしたが、前二者がだんだん後退し、『ラブストーリー』の勝ちという結果になりました。しかし『ラブストーリー』も20%前後をウロウロで『渡る世間は鬼ばかり』や『ちゅらさん』には及ばず、当初の期待からするともう一つ。
過去の北川悦吏子が一人で脚本を書いた1クールの連続ドラマと比較すると、『ビューティフルライフ』『ロングバケーション』『あすなろ白書』『素顔のままで』が全話視聴率20%以上、最終回は30%を越える大ヒット。『愛していると言ってくれ』が当初地味な展開で20%以下でしたが、後半盛り上がる話題作で、この5本は成功といえるでしょう。
対して、『君といた夏』は最終回と一つ前でどうにか20%越え、『最後の恋』は20%前後をうろうろ、『オーバータイム』はついに20%を越えることはなく、この3作はいまいちというところ。『ラブストーリー』の視聴率は『最後の恋』と同じようなレベルです。
盛り上がらない原因はなんなのか?ガイドは「制作側と視聴者のミスマッチ」「セリフとキャラクタのミスマッチ」「北川脚本と中山美穂のミスマッチ」の「三つのミスマッチ」ではないかと考えています。
「制作側と視聴者のミスマッチ」
制作の植田プロデューサによると「視聴者の方が思い浮かべるラブストーリーをあえて逆手に取った内容。どこにでもあるような日常を切り取ったスケッチのような描き方をしたい」というねらいなんだそうで、オーソドックスな恋愛ものだと思っていた(なんたって題名が『ラブストーリー』である)視聴者は肩すかしをくらった格好。
「どこにでもある日常」を描いて成功したといえば『白線流し』。脚本を書いた信本敬子をつれてきて『LxIxVxE』を作ったのはその植田P。最初はたしかに『白線流し』的世界のTBS版になっていましたが、後半から信本敬子は脚本を書かなくなり、舞台となる学校は経営不振で吸収合併になるは吹奏楽大会を前に藤原竜也が事故で重体になるはと大きな事件がおこります。プロデューサと脚本家の意見が違ったな、と傍目にもわかる状態になり前半の雰囲気はぶちこわしになってしまいました。その植田Pが「どこにでもある日常」というのはちょっと違うような気がします。