絵本/絵本関連情報

99人の絵を堪能!ボローニャ国際絵本原画展(8ページ目)

ボローニャでは、毎年3月の児童書国際見本市の一環で原画コンクールが開催されます。2,598人の応募の中から選ばれた99作家の原画展が今年も日本で巡回を始めました。板橋区立美術館に行ってみましょう!

執筆者:鈴木 宏枝

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ボローニャ・ラガツィ賞
ボローニャ・ラガッツィ賞のノミネート作品と受賞作の展示。

ラガッツィ賞授与は国際絵本原画展と同じく見本市に伴うイベントとして開催されます。すでに出版された絵本の中から選定されます。部門ごとに数作品がノミネートされ、一作が受賞します。

フィクション部門

『Avstikkere』
『Avstikkere』まわり道をしながら行くのですが……。
創作・物語のフィクション部門では、ノルウェーのオルヴィン・トールセーテルの『Avstikkere』(寄り道)が選ばれました。絵本というよりはアートの本です。男性がまわり道をしていく中で、様々な不思議な場面が生まれます。

■『Avstikkere』
作:オイヴィン・トールセーテル
出版社:カッペルン社
出版年:2007.3
価格:249クローネ

ノンフィクション部門

『The Wall: Growing Up Behind the Iron Curtain』
『The Wall: Growing Up Behind the Iron Curtain 』ここで購入!自由とはどういうことか、考えさせられます。
事実に基づいたノンフィクション部門では、ベテランのピーター・シスが故国であるチェコスロヴァキアの政治的変遷をたどった『壁』(The Wall)が選ばれました。弾圧や社会主義の不自由の中で、「絵を描く」ことが主人公の男性にどんな力を与えたか、歴史を丹念にたどりながら、人が自由であることの意味を問いかけます。

■『The Wall: Growing Up Behind the Iron Curtain』
作:ピーター・シス
出版社:ファラー・シュトラウス&ジルー社
出版年:2007.8
価格:2,163円(税込)

ニューホライズン部門

『The Wall: Growing Up Behind the Iron Curtain』
『The Night Life of Trees』ここで購入!すばらしい手仕事で仕上げられた絵本です。
アジアやラテンアメリカなど、子どもの本がこれから盛んになっていくことが期待される地域での出版に対して贈られるニューホライズン(新しい地平)部門では、インドのタラ出版社が出した『木々たちの夜』(The Night Life of Trees)が選ばれました。なんと、絵や文はもとより、製本まですべて手作りで、絵画のようにシリアルナンバーが振ってあります。一本の木のぐるりに、夜、どのような世界が展開されているか。深みのある黒に手作りの風格を感じます。

■『The Night Life of Trees』
文:ジーター・ウォルフ、シリッシュ・ラオ
絵:バジン・シャム、ガルガ・ビー、ラム・シン・ウーヴェティ
出版社:タラ出版
出版年:2006.6
価格:4,930円(税込)

チルドレンズ・ポエトリー部門

『Avstikkere』
『Tuwim. Wiersze Dla Dzieci』子どものための詩に様々な画家による絵がつけられています。
今年の特別部門は「子どものための詩」で、トゥヴィムの詩に複数の画家が絵をつけた『トゥヴィム 子どものための詩』(Tuwim. Wiersze Dla Dzieci)が選ばれました。様々な画風の絵を楽しめます。

■『Tuwim. Wiersze Dla Dzieci』
文:ユリアン・トゥヴィム
絵:ゴシャ・ウルベンスカ、モニカ・ハヌラッ、ゴシャ・グロフスカ、マルタ・イヴネルスカ、アニヤ・ニェシェルコ、アグニェシカ・クハルスカ・ザイコフスカ
出版社:ウィトヴォルニア社
出版年:2007.3

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