眠る前に幸福を実感
寝る前に、楽しかったことはもう1回思い出させ、悲しかったことはパパやママが全部吸い上げて、ねんねの国に送り出したいですね。 |
しかも、子どもはパパやママの声が無条件に好きです。抱きしめてくれる腕、ほおずりをするほっぺ。それと同じ肉感的な幸福を、親の声に感じとることができます。絵本は、大好きな声が語りかけてきて、一流の画家が魂をこめて描いたすばらしい絵を見ることのできる、二重にすばらしい体験であり、子どもなりの一日の疲れをリセットするのに何よりもふさわしいアイテムなのです。
子どもの世界におりていく
絵本は大人と子どもを同じ位置におきます。 |
大人は子どもを導いたりお手本を見せたり、時に叱ったり注意をしたり「上から」ものを言うことが多いでしょう。子どもとの会話もとかく年齢の低いうちは「聞き出す」「質問に答えさせる」ようなやりとりになることも少なくありません。その点、絵本を介すとき、子どもは自然と大人と対等になります。大人も、子どものものの見方に学び、絵本を読みながら出てくる子どもの言葉に、はっとさせられることも少なくありません。大人が大人であることから抜け出して子どもとつながりを持てるのが、寝る前の絵本タイムなのです。