ガスの音に習った感謝の気持ち
この小さなお弁当箱の中に大きな大きな思い出がたくさん、つまっています。 |
室井君という青年です。彼は埼玉県の郊外から、東京の中高一貫進学校に6年間通っていました。医学部に合格して信濃町に下宿することになり、18年間生まれ育った我が家を旅立つ日がやってきました……。
「それじゃあ、お母さん、行ってきます」「いってらっしゃい。体に気をつけるのよ!」「うん……」と言って玄関を出ていく後姿を見送ろうとしたその瞬間、「あっ、お母さん忘れ物!」と言って、台所に向かって一直線。懸命に何やら探している様子。やがて戻ってきた息子が手にしていたものを見たお母さんは思わず、「あっ……」と眼を見張ったのでした。それは中学・高校と6年間、学校に持って行ったお弁当箱。
「毎朝5時50分、お母さんがカチッといってガス栓ひねる音で眼をさましました。やがてやかん、包丁の音、料理の匂いが漂ってくると6時10分、その匂いを合図に毎朝眼をさましました。最初に眼にしたのが、自分のために一生懸命お弁当を作ってくれているお母さんの後姿。その頃は当たり前と思っていたその光景が、いま生まれて初めて家を出ていくことになって思い出し、自分のために毎朝お弁当を作ってくれていたお母さんに対して感謝の気持ちで一杯になりました。そうしたら、このお弁当箱のことが急に思いだされたのです」
室井君はそのように語ってくれました。
彼にとってガスをつける音のお母さんの愛情そのものだったということですね。その音が彼に安心感を与えてくれていたことが、この話からうかがい知ることができます。普段なにげなくつけているガスの音に子供がこんな風に思い出を感じてくれていたとしたら、これ以上に幸せなことはないですね。
大切なのは考える力を身につけること
ホワイトボードと頭のよい子の関係はいかに? |
「食卓で親子のコミュニケーションが持たれることによって大事なことは何か? もちろんお子さんにとって思い出の味が出来ることはとても大切ですが、さらに大事なことはそれらの中から子供に考える力がつくこと。例えば思考力であったり、探究心であったり。これらはきっかけは何にせよ行動習慣として身につくことでいろんなことに派生されていく能力ですから、自然と勉強に対しても向けられるようになります。自分から学ぼうとする姿勢をもった子供は自ずと伸びていきますので、結果『頭のよい子』に育つわけです」
その一端を毎日の食事で担えるのであればしてあげたいですね。決して難しいことは必要ありません。親子のコミュニケーションが活発になる食卓にするにはどうしたらよいか? みなさんなりの食卓づくりを四十万先生のアドバイスをもとにぜひ考えてみてください。
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