元は銀行の金庫だった畑
昔はお金が山のように、そして今は食材が山のようにある地下室。写真は古代米など数種のお米が植えてある田んぼのお部屋。 |
さてそんな都会の地下で野菜やお花を育てているパソナO2が出来たのは2005年。ちょうど、食育基本法が出来た年と同じ。農業を身近に感じてもらい、興味を持ってもらうことを目的につくられたパソナO2はある意味、食育と一緒に歩んでいる仲間ともいえますね。パソナO2の凄いところは訪問者が増えれば増えるほど、酸素が増えるということ。これは訪問者が呼吸することで排出される二酸化炭素を栽培されている植物が吸うことで酸素が排出されるから。朝一番など本当に森の中にいるような空気なのだそうです。正真正銘、都会のオアシスですね。
きっかけは新しい雇用形態の模索
ところで人材派遣の会社がなぜ農業に取り組むことになったのでしょうか?そこにはとても奥深い理由がありました。まずは近年、仕事とプライベートの両立や田舎志向など人々の就労意識が多様化してきていること。また食の安全に対する意識も変化、そして高まっていること。更には第一次産業の衰退や後継者不足を考えた場合に農業を「産業」として活性化できないか?ということを考えたのだそうです。パソナは企業と企業を人材によって結ぶことを得意とする会社。そのノウハウを産業と人材を結ぶことや未経験者の農業への参入サポートを事業としてはじめたわけです。そこには日本の自給率への憂いもあったとのこと。現在では農業インターンプロジェクトやAgri-MBA農業ビジネススクール“農援隊”など実践的な農産業界への進出について学べる場も提供し、実際に独立就農している卒業生も生まれています。農業従事者が増えれば自給率も自然と上がりますから現在FoodAcitonNipponなどによって推進されている食糧自給率向上にとって大切なプログラムが提案されている場といえますね。そんな中、都会で働く人たちに気軽に農業に触れてもらいたいと開設したのが大手町にあるパソナO2とのこと。パソナの社員の方たちはもちろんのこと、近隣のオフィスで働いている人々や小さなお子さんを連れたママたちなど数多くの人が憩いの場として、また農業に触れられる場として毎日のように訪れるのだそうです。私が伺った日もちびっこたちが何人も来ていて、とても楽しそうに植物に触れていました。