第5の味覚「旨味」の秘密とは
以前、三國シェフの食育レッスンの記事で日本人には「甘い」「しょっぱい」「すっぱい」「苦い」の4種類の味覚に加え、第5の味覚「旨味」が解るということをご紹介しました。実は今、この旨味が世界的に大ブーム。NYでも旨味を活かしたお料理が大流行しています。この日本独特の味覚である「旨味」にこそ、日本人の頭脳の秘密があるのをご存じですか?
旨味成分というのはグルタミン酸というアミノ酸による味です。グルタミン酸を多く含む食材の代表は昆布。日本人が昔からダシをとるのに使ってきている海草です。それ以外に大豆や落花生、ごまにもこのグルタミン酸は多く含まれています。日本人が代々食べ続けてきている食材が多いですね。
グルタミン酸を摂取することによってストレスに強くなるといわれるGABAの体内生成が活性化されます。これによりリラックス効果が高まったり、脳細胞が保護されるのです。さらに情報伝達機能を活性化させたり、知的活動を高めたりするともいわれ、総じて頭の回転をよくしたり学習効果をあげるといわれています。それゆえグルタミン酸は脳のご飯といえるんですね。
トマトは健脳の味方
おいしいだけではなく、頭にもいいトマト! |
えっ、トマトに旨味成分?と思われるかもしれないのですが、トマトにも昆布の旨味成分であるグルタミン酸がたくさん含まれているんです。ですから西洋料理でダシを摂る時はトマトを調味料として入れてスープを取ったりもするんですよ。
トマトにはこの旨味成分であるグルタミン酸だけでなく、もう一つの脳のご飯である糖分も多く含まれています。さらに、リコピンといって非常に高い抗酸化作用のある成分もトマトは含んでいます。このリコピンの作用によって脳内で発生する活性酸素を抑制することが出来ますから、脳をいつでも元気な状態にしてくれます。リコピン以外にもストレス緩和に役立つビタミンCもトマトは多く含んでいます。
トマトの旬は夏ですが今は一年中買うことが出来ますし、トマトのお料理はバリエーションが多いので食卓にのせやすいですよね。ぜひ、トマトで元気な脳、賢い脳作りの食事を作ってあげてください。