教育ママが暴走中
Q:妻が教育熱心で、1学年先の教材や、英会話などいろいろな習い事に通わせています。最近娘のやる気がなくなり、勉強態度が悪くなってきました。そんな娘に妻のいらだちは増し、体罰を行うようになってきました。娘のやる気を取り戻し、妻の暴走を止める方法はないものでしょうか。明るい家庭を取り戻す方法を教えてください。まずは母子信頼関係の回復を
教育熱心が裏目に出てしまうと、子どもは抵抗感が高まるばかり |
年齢が小さい頃の子どもは、親が驚くほどの記憶力を発揮するため、つい「もっとできるはず、もっと先に進めるはず」と期待がふくらみ、過干渉になる場合があります。子どもは親の期待につぶれそうになってしまいます。明るい家庭を取りもどすためには、先取り学習で知識を詰め込むより、親子の信頼関係の回復に焦点をあてましょう。「自分の気持ちを解ろうとしてくれている」という親の姿勢は、お子さんの反抗的な気持ちを徐々にほぐしていきます。子どもの主体性を尊重しながら押さえつけに注意して、子どもの話に耳を傾けましょう。焦らずにゆっくり対応することも大切です。
好奇心や意欲は一生の財産
年齢を超えた先取りの詰め込み学習は、「なぜ?」という好奇心や「学びたい」という意欲を低下させる場合があります。娘さんは連日の習い事に疲れているのかもしれません。母親が当初願っていたお子さんの学習意欲を育てる目的が今は裏目に出ています。年齢にあった学習方法や、好奇心が持てる分野や雰囲気を作ってあげてください。アルベルト・アインシュタインも「学校で学んだことを一切忘れてしまった時に、なお残っているもの、それこそが教育だ」と言っています。親の強い管理下で詰込学習するより、お子さんの安定した情緒・感性を育てることが、豊かな人格形成を育む基礎となります。
妻を支えるのが夫の役目
「母親の暴走を止めたい」という言葉の背景には妻を責める夫の気持ちが見え隠れしていますね。父親ができるサポートで重要なのは、直接子どもと関わることよりも「妻の心の安定を支える」が最優先です。改めてご夫婦で「明るい家庭」の共通意識を明確に描きましょう。現実には困った状態になっていますが、妻も「我が子を良くしたい!」との思いから熱心になり過ぎているのです。そこを夫が認めてあげることからスタートです。お父さん 出番ですよ!
母親は人に評価されるという場面が少ない家庭の中に居て肯定感をなかなか味わえません。母親自身の充たされない心のストレスが子どもに発散されている場合があります。子どもを優秀にすることで自分(母親)の評価を上げたいと焦り悪循環になっているのかもしれません。夫が妻を受け入れる、ねぎらう所から解決の糸口を見つけましょう。非難・批判・命令・指示が来ると、どんな人でも身構えて防衛的になります。意見が1つ合わないだけで全てがダメと見放さないで、ひとつでも協力しあえることに注目していきましょう。「明るい家庭を築きたい」との思いを伝え、夫婦で改善策が見つかる話し合いを根気よく探してみませんか。こんがらかった糸はゆっくり解いた方が結果として早くほどけます。
子どもの長い人生を見据えた「長期的な教育方針」を見直す大事な時期です。夫として父親としての頑張りどころです。夫婦関係がうまくいくと、母子関係も穏やかになってきます。家庭が円満だと、子どもは自分の能力を最大限に伸ばすことができます。詰め込み学習を進めるより、お子さんの情緒や感性をご両親でじっくり育んであげてくださいね。
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