子育て事情/子育て事情関連情報

病児保育NPOの立役者は20代青年!

発熱した子どもは預かってもらえないという「保育のエアポケット」。仕事と子育てを当たり前に両立できる社会を目指して、元ITベンチャー経営者の青年がNPOの世界へ飛び込み、病児保育と取り組みます。

河崎 環

河崎 環

子育て ガイド

教育・家族問題、世界の子育て文化から商品デザイン・書籍評論まで多彩な執筆を続けており、エッセイや子育て相談にも定評がある。家族とともに欧州2カ国で駐在生活を送ったのち、帰国。

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仕事も子育てもする母親はわがままだろうか。

寝ている子ども
子どもが突然発熱。そのときあなたは?
「仕事」を持っていてもそうでなくても、子を持つ母ならばきっと、みんなが覚えのある感情なのではないだろうか。

子どもが突然熱を出した朝、その日に限って重要な、休めない仕事がある。熱を出した子どもを、保育所は預かってくれない。家族もみな忙しい。その日に予定していた一連の出来事をリスケジュールし、組み立てなおさなければいけない。

まず困惑し、次になぜか「どうして今日に限って熱を出すの?」と、この状況に対しての怒りが湧いてくる。そして、子どもの様子をもっと見ておけばよかった、子どもの健康管理ができなかった自分は力不足だ、と自分を責める。職場に迷惑をかけてしまって申し訳ない気持ちでいっぱいになり、あちこちに「すみません、すみません」と頭を下げて回る自分がみじめだ。

「えぇっ、困るなぁ」というネガティブな反応も、「お子さんがいらっしゃるんだから、しょうがないですよ」というポジティブな反応も、同じように胸にずっしりと響く。頑張っているのに、頑張ってきたのに、仕事と子育ての両立は私には無理なんじゃないか。「一人前」に仕事のできない自分が恥ずかしい。子育てとは不自由を背負うということなんだ、こんな風にしてまで働く自分はわがままだ、子どもがかわいそうだ、ついには自分は悪い親なのだと、独りで涙する。

そして、こんな言葉をつぶやく人が、世の中にはいる。「子どもに風邪を引かせるなんて、それはあなたがちゃんと着せなかったからだ」「あなたが人ごみに連れて行ったからだ」「あなたは普段子どもを人に預けて『子育てをしていない』んだから、病気の時くらい親が面倒を見るのが当たり前でしょう」。悪気があるのかないのか、子どもを病気にさせたのは親の責任なのだ、あなたが悪いのだと、追い討ちをかけるかのような言葉の数々。

子どもの病気が原因で、自分が責任を負っている何かをキャンセルしたことのある母ならばきっと、多かれ少なかれそんな風にして胸を痛めたことがあるのではないだろうか。

>>20代の元ITベンチャー経営者、病児保育に取り組む>>
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