息子が頑張るから母も頑張る
以前の息子さんは幼稚園ではなく、保育園に通っていたため、ゴンベママさんのお弁当作りは遠足と運動会のときぐらい。新婚当初は夫婦2人分のお弁当を作っていた時期があったり、出産後も少しの間旦那さんのお弁当を作ったりしていたけれど、夏場にお弁当が傷んでしまうのが不安で、以来、お弁当作りはストップしてしまった。テストが近い日に作った、マグロカツ |
「『頑張らないなら、私もお弁当作らないから、お茶だけ持って行きなさい』とよく言っています」。
大の肉好きの息子さんからは「人参と肉は毎回入れて!」というリクエストを受けているという話に、息子さんとゴンベママさんとの仲の良い姿が目に浮かんでくる。
「私としては、夕食の献立を考えるときと同じで、学校給食で肉だった日には魚、魚だった日には肉、と思っているのですが、お弁当に魚を入れると息子が落ち込むので、どうしてもお弁当はお肉が多くなってしまいます。その分、できるだけ野菜も多く入れようと心がけているのですが……息子は人参・玉ねぎ・いも類が大好きなので、その点は助かっています」
長時間、勉強を頑張る息子さんのためにも、できるだけ好きなものをお弁当に入れ、普段の夕食より品数を入れてあげるように努めているそう。
「でも、勉強で疲れたとき、ふたをあけて喜ぶ息子の姿を想像すると塾弁作りを負担には感じていません」
本人は至極当たり前のように話して下さるが、息子さんの話をする口調には、「大好き」な心情がにじむ。
塾弁作りは時間との闘い?
ゴンベ君が蓋のケチャップをベロっとなめてしまった日のオムライス |
「たまにお友達とランチに行くこともあります。でも塾弁のある日は、ランチしていると間に合わなくなってしまうため、塾弁のない日限定です」
塾弁作りは時間との闘いなのだ。同居のお母さんとゴンベママさんの二人分の昼食を作る時から、塾弁作りの準備がスタート。多めに煮物を作っておいて、お昼用とお弁当用に分けたりという工夫もしている。14時頃にはもう炊飯の準備をし、そこから夕食作りと同時に塾弁を作り始めるというから、一般の夕食作りに比べて、かなり早くから準備をしていることがわかる。
「息子が下校してくると、宿題の音読を聞いたり、学校のプリントを見たりしなければならないため、下校時刻前後の時間帯は、手がかからないようにスタンバイしています。例えば煮込む時間にする、とか冷ます時間にする、とか。最終的に16時に息子が家を出るので、それまでに完成させます」
塾弁を持たせて通塾できるようにすると、塾によって異なるが、どうしても4時や5時には塾弁が出来上がっている必要がある。それが時間的にキツイという理由で、食事の時間に間に合うように、塾までお弁当を届けるというスタイルをとる塾弁母も多い。季節柄、温度の調節にも気を使い、保温ジャーや、保冷材も使い分けている。
オムライスを持たせると、蓋に付いたケチャップをベロっと舐めてしまって、先生に注意されてしまう、お茶目な息子さん。そんな息子さんが「ただいま!」と同時に「お弁当おいしかったよ!」と言ってくれたときが一番嬉しい、とゴンベママさんは言う。息子さんは毎回全てきちんと完食してくるのだけれど、特に「おいしかった、またあれ入れて」と言われたときは、また次も頑張って作ろうと胸が弾む。