子育て事情/子育て事情関連情報

夫として、パパとして、男らしく生きるとは 主夫として生きる、男のあり方(2ページ目)

男性の育児休業取得者は、まだまだ少数派。多忙なパパが多いのが実情ですが、ビジネスマンでありながら育児・家事を分担する「兼業主夫」という生き方もあるのです。

河崎 環

執筆者:河崎 環

子育てガイド

イギリス首相に学ぶ育児と仕事の両立とは?

ブレア首相の判断は賛否両論の議論を呼ぶことに
ブレア首相の判断は賛否両論の議論を呼ぶことに
ミレニアムを目前にした1999年末、イギリスでは、ある騒動が勃発した。トニー・ブレア首相に第4子が生まれることが分かったのだ。ちょうどその年、イギリスでは父親と母親に等しく、育児休暇を与える法律ができた(『雇用関係法』育児休業に関する規則……しかし、この育児休暇は無給である上に、子供が5歳になるまで13週間、1年に最長4週間しか保障されておらず、取得率は数%に過ぎないと言われている)。

それまで、育児休業というのは企業内の労使協約という形でしか取り決められていなかったイギリス。できたてほやほやの法律を前に、ブレア首相が第4子誕生にあたって育児休暇を取るべきか否か、国内だけでなく世界中の注目を浴びる議論となったのである。

首相が率先して育児休暇を取得することで、イギリス男性に育児休暇の意識を高めることができると、賛同する人々も多かった。だが一方で、「一国の首相ともあろう者が、数週間も国務をおろそかにすべきではない」という意見も強かった。国家の危機管理という面でも、ブレア首相は一般男性とは違う立場にある。ブレア首相は完全な育児休暇は取らないが仕事量を減らすという選択をし、結果的には事実上2週間の休暇を取った形となった。

ブレア首相と夫人は、お互い法律事務所での同僚として出会い、結婚したカップルだ。夫人は法律家として、講演会などで、英国首相である夫がロールモデルとなって英国民に範を示して欲しいと発言したと伝えられている。実際、首相の育児休暇は注目を浴び、驚きを持って受け止められ、現実はどうであれ「首相が育児のために休暇を取るなんて、イギリスは進歩的である」という印象さえ国際社会に与えることができたといってもいい。この後、ブレア首相の国内の支持率は急上昇した。

長い人生の中の、たった数週間の出来事だ。その数週間で、我が子の貴重な成長の瞬間を見守ることができ、妻との絆や信頼関係もより固いものとなる。自分の人生で「家族」が大きな部分を占めると感じている男性なら、この数週間が持つ価値が分かるだろう。

「兼業主夫」ビジネスマンの生き方

アットホーム☆ダディ
http://daddy-style.main.jp/
現在、ビジネスマンでありながら、かつ「主夫」として家事や子育てを分担し、日々奮戦中の男性がいる。「仕事も家事も育児もデキる男がカッコいい!」というスローガンを掲げ、自らを「ダディ系」と称する、「アット☆ホームダディ」サイト主宰のハム☆エッグさんである。

ハム☆エッグさんは、年々職場での責任も大きくなり、残業も多く、休日も決して多くないビジネスマンとしての生活の傍らで、上手に奥さんと家事と育児を分担する時間を確保している。家と職場を行ったり来たり、時にはレジャーを楽しんだりと、時間を切り盛りしながら家事・育児をこなすハム☆エッグさんの格闘ぶりは、サイトに詳しい。(⇒「アットホーム☆ダディ~僕のきっかけ」

印象的なのは、サイトやブログにつづられる、「0(ゼロ)から始めた」という、奥さんとの家事分担の様子である。少し空いた時間を有効に活用して、家事・育児をこなしているのだが、その姿はライフスタイルとして全く自然で、完璧な流れである。「どちらかというと仕事と育児との両立を考えるワーキングマザーに近い生活・考え方をしています」。世間の女性たちが家庭生活に奮戦するように、家庭人として同じ悩みと喜びを共有しているのだ。

「男とは、甘やかしたら成長を止めてしまう生き物です!」と、彼は女性の側にも「男に家事をさせる」意識を喚起する。世の中、家事・育児をしない言い訳をする男が、あまりにも多いのではないか。「アット☆ホームダディ」を通して男性の育児・家事参加や仕事との両立を提言していきたい、と精力的にサイトの運営にも取り組む。

ハム☆エッグさんは、自身のライフスタイルが世間で「(兼業)主夫」と呼ばれ、決して多数派ではないことを十分に理解しつつ、誇りを持って「男らしさ」についてこう語ってくれた。

>>アットホームダディの考える、男らしい生き方>>
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