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食品添加物の表示で気をつけたいこと(2ページ目)

前回「食品添加物は本当に体に悪いのか?」にて、食品添加物の基本的な知識と、そのつきあい方をご紹介しました。今回はもう少し詳しく、食品添加物の表示で気をつけたいことと、安全性についてご紹介します。

執筆者:松下 和代

食品添加物の安全性は?

手作りの煮物
一番安心できるものは、なるべく加工されていない手作り
では、添加物の安全性はどのように決められているのでしょうか? 単に「天然だから○、科学的なものは×」という区分でなく、食品添加物は厚生労働大臣が安全性と有効性を確認して指定したものとして、幅広く利用されています。

具体的には、食品に加えられる添加物はどのように定められているのでしょうか? まず、食品添加物として国から認められるためにはこのような段階で決められています。

1、毒性試験で無毒性を求める
実験動物に食品添加物を与え、有害な影響が出ない量(無毒性量)を求めます。

2、ADI(1日摂取許容量)を求める
ADIとは、人が食品添加物を一生涯にわたって毎日継続し続けても、健康に悪影響を及ぼさない量のことで、無毒性量÷安全係数(通常100)=ADI(1日摂取許容量)で求められます。
*安全係数=「人と動物の種による差を10倍」×「人の年齢性別の個人差を10倍」

3、食習慣により使用基準を決める
平均的な日本人が1日に摂取する食品中の食品添加物の摂取量を推定し、それぞれの添加物に使用できる量を決める。

4、安全性を再検討する
すでに指定されている添加物についても再評価を行い、安全性に疑問を生じた場合は安全を確保するための措置を行う。(引用:岡山県の配布パンフレット

しかし、これら全てをクリアしたとしても必ず安全とはいえません。例えば、2006年に使用が禁止となった食品着色料「アカネ色素」。これは高い発がん性が認められたとして、厚生労働省はこの色素を使ったハムなどの食肉加工品などについて、製造・販売を自粛。そして食べることを差し控えるよう食品メーカーや各自治体、消費者団体に通知しました。

このアカネ色素は、アカネ科の植物「セイヨウアカネ」を原料とした天然添加物で、黄色や赤紫色に着色する場合に使われていました。このように、食品添加物の中には天然のものでも研究段階の中で有害になりえる可能性があるのです(参照:厚生労働省医薬食品局食品安全部)。

食品添加物とのつきあい方

「表示をみましょう」と単に書いてみても、その良し悪しの判断は難しいものです。ただ、「消費者が表示を気にする」という行為は、販売者もその要望に応えてくるとにつながります。例えば、最近になってから指定アレルギーの表示の義務付けが行われたのも、食物アレルギー患者の増加とリスク管理から生じたものです。

添加物の安全性は、先でも述べたように国の規定により厳密な検査や調査を行っていますが、複数あわせて利用した場合の害までは把握しきれていないのが現状です。悪質な業者が表示を偽っていたり、紛らわしい表示の明記もあります。表向きには、非表示でも店頭販売や物産展などでは、実は添加物がたくさん使われている可能性もあります。このような流れを防ぐためにも食品は傷むものだと認識し、「おかしい」ことを感じることができる感覚を持ち、そうした商品をなるべく避けるように心がけたいものです。

昔ながらの方法は食物の保存のために、塩・酢・砂糖などを使用します。梅干が「減塩」なのに長期間保存できる影には、たくさんの「保存料が使われていないか?」と疑う習慣が必要です。高価であるはずの肉や魚を使っているのに製品が妙に安かったり、生ものを利用しているにも関わらずかなりの期間保存が可能であったり、不必要に自然には存在しないような色や形をしている食品は「何だかおかしい……」と疑ってみるようにしましょう。

>>表:食品添加物の種類と用途目的>>
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