乳児育児/乳児育児関連情報

コレで困らない!【アレルギーのお弁当】

秋は運動会や遠足など、子どもたちのお弁当が多くなる時期。ここはママの腕の見せどころ。アレルギーにも気を使って、「楽しく・美味しく・バランスよく」のお弁当を作ってみましょう!

執筆者:松下 和代


アレルギー除去食だけでも、お弁当作りは楽しくできます!
ネットやテレビで、アニメのキャラクターやタレントをまねたお弁当「キャラ弁」が流行ってます。我が家でもチャレンジ!…と思っても、除去食があると栄養バランスが気になります。そこで今回は、除去食を使っても、楽しく・美味しく・栄養バランスのいいお弁当をご紹介します。

バランスのいいメニューって何?

バランスのいい食事とは、一体どのようなものなのでしょうか?よく「この食品には栄養がある」とか、「ウナギは栄養があるから体にいい」等と使いますが、正確ではありません。

そもそも「栄養」とは、その生命を維持するために必要な食物(栄養素)を体内に取り入れて分解、消化吸収し、体を構成する骨や筋肉や酵素や血液を作り出し、発育成長させる「状態」を表しているのです。食べ物には、多かれ少なかれ色々な種類の「栄養素」が含まれています。その役割で大きく分けると「タンパク質」「炭水化物」「脂質」の3大栄養素、それに「ビタミン・ミネラル」が加わり、これらをバランスよく毎回の食事に取り入れたのが「栄養バランスがいい食事」と言えます。

最近では、栄養学の研究も進み「非栄養素食品因子(フィトケミカル)」と呼ばれる、食物繊維やポリフェノールなどを耳にします。これらは、最近の研究で、抗酸化作用やがん予防に役立つことで注目をあげています。

また、タンパク質の「アミノ酸のバランス」の重要性も注目されています。これは、アミノ酸はどれかが欠けてしまうと、樽桶の板一枚不足するように栄養素がこぼれてしまい、全てが少なくなってしまうのです。そのため必須アミノ酸といわれるものは、色々な食品からバランスよく取ることが大切です。

ずらずらと列挙しましたが、簡単にいうと栄養バランスのいい食事とは、独自な判断で同じ食品を食べ続けことでなく色々な食品を使い、食事の幅を広げていくことにあります。

バランスの決め手は「6つの基礎食品」で

日本では、バランスのいい食事を考える際、国民の健康状態や栄養状態、食生活の変化、さらに栄養学の進歩等を考慮して、5年ごとに策定する「食事摂取基準」をもとにしています。平成17年度から5年間使用する「日本人の食事摂取基準(2005年版)」は平成16年10月25日に、「日本人の栄養所要量-食事摂取基準-策定検討会」(座長:田中平三 独立行政法人国立健康・栄養研究所理事長)においてまとめられています。これは、国民のライフステージ別に分けた、1日に必要な栄養素をあらわしたものです。

このバランスを上手に日常的に組み合わせることができる一つとして、「6つの基礎食品」があります。栄養成分の似ている6つの食品をグループに分類したもので、病院や保健所等の献立づくりに利用さているものです。この6つの群の中から、上手く組み合わせる方法は除去食があっても同じです。除去する食品がある時には、その食品を避けて他の食品に変えてメニューを決めます。

下表が、6つの基礎食品になります。
 
働き
食品
第1群主にタンパク質の供給源魚・肉・卵・大豆
第2群主にカルシウムの供給源牛乳・小魚・海藻
第3群ビタミン、ミネラルの供給源(カロチン)緑黄色野菜
第4群ビタミンミネラルの供給源(ビタミンC)淡色野菜・果物
第5群主に糖質エネルギーの供給源穀類・芋類・砂糖類
第6群油脂エネルギーの供給源油脂類

車で例えると、タンパク質は丈夫な車体を作るもと。炭水化物は、ガソリン。ビタミン・ミネラルはエンジンオイルのような役目を果たすものと考えるとわかりやすいと思います。

メニューを考えてみましょう!

さて6つの基礎食品は理解できました。でもいざ食事を考えると、どのような食品を使うといいのか?迷ってしまいまいますね。最近は様々な食品がスーパーに並ぶようになり、代替食品も多くなりました。除去食をする際のメニューづくりにあたり、注意事項とポイントとして大事なことをお伝えします。

■第1群
卵・牛乳が利用できない場合、タンパク質と ビタミンB群の不足に注意しましょう。

代替食として、魚・豚肉を利用してみてください。他にもタンパク質として利用できる食品で、うさぎ肉・馬肉・羊肉・豆腐・納豆などがあります。魚は白身が赤身に比べてタンパク質を多く含みます。魚の利用は、いわしなど骨まで食べられる食品を使うとカルシウムの補給にも役立ちます。青魚をはじめ、食品は新鮮なものを利用するよう心がけましょう。

■第2群
牛乳が利用できない場合は、カルシウムが特に多めに必要となってきます。牛乳には、カルシウム以外にタンパク質も多く含まれます。他の食品群からカルシウムとタンパク質が多く含まれる食品を意識して取りましょう。

アレルギー対応のミルクを上手に利用してみてください。野菜の中にもカルシウムを多く含む食品があります。小松菜もそのひとつです。また干しエビや煮干は、100g中、2300?、2200gとかなり多くのカルシウムが含まれています。1回あたりの利用量が少ないのですが、だしとして利用する時には、フードプロセッサーで細かくするなどして、丸ごと使う習慣をつけてみてください。ゴマや切り干し大根にもカルシウムが多く含まれています。ゴマには、カルシウムの他、油としてのエネルギーも高く、マグネシウムも多いのでゴマアレルギーでない子どもには助かる食品です。

■第3群・第4群
ヒスタミンの放出しやすい食品に気をつけて、旬の物、地のものを色々食べる習慣をつけましょう。

野菜の中より除去の必要が多い食品としてあげられたものを除き、あまり神経質にならず色々な食品を回転させて利用することをお勧めします。心配な方は食品の抗原抗体表より、ヒスタミン等の仮性アレルギーを引き起こしやすい食品を避けて利用しましょう。また、緑黄色野菜はβカロチンを主とするニンジンや小松菜等の色の濃い野菜と、食物繊維やビタミンCを主とする淡色野菜を上手に組み合わせましょう。

今回は、この6群を利用しながら、子どもが大好きなアンパンマンのお弁当をつくってみました。

>>次は、アンパンマン弁当の作り方>>
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