小さな子どもにも優しいプラレールに
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「試作品では、落とした場合にこの部分が欠ける可能性があったので、万一を考え欠けないように改良して製品化しました」 |
「プラレールで遊ぶ子どもの低年齢化が進んでいまして、小さな子どももプラレールを手にするようになってきました」。たしかに幼い時からプラレールを持つ子どもは多い。上の子のプラレールに手を出すこともあるだろう。「そこで、小さな子どもの指が入ってしまって怪我をしないように穴を無くしています。たとえば以前は列車の窓が開いていたのですが、窓を塞ぐようにしました。また、突起を尖らせないようにしたり、素材や構造を頑丈にしたりと、様々な工夫をしています」。90cmの高さから何度も落としてテストを繰り返したり、ネジ止めして電池がはずれないようにするなど、安全性がかなり考慮されているのだ。
子どもを観察しながら日々改良を積み重ねている開発室。試作品が出来上がると、モニターの子どもたちに実際遊んでもらうという。試作品で遊ぶ子どもを録画しながら何時間も見つめ続けたり、1日がかりで本社に来てもらったりするのだそう。細心の注意を払い、改良されたものが新製品として発売されるのだという。
プラレールはなぜここまでリアルなのか
これほど考えられた完成度の高いプラレール列車。具体的には、どのように設計するのだろうか? 「本物あってのプラレールですから、本物をイメージできるようにリアルに作っています。JRや私鉄の鉄道会社に実車の図面をもらい、その図面から設計していきます。実際に列車を見に行ったり、車両基地や車庫に行って写真を撮ることもあります。完成までには、試作品を鉄道会社に送ったり持っていったりと、何度もチェックしてもらいます」。なんとも手間がかかっている。「鉄道会社はプライドを持っています。自分の会社の列車はこうでなければならないというこだわりがありますから」。なるほど、子ども用のおもちゃだからといって妥協は許されないのがプラレールなのだ。「特に屋根の上に鉄道会社の方はこだわりがありますね。実車では普段、あまり見えない場所なのですが……」。プラレールのひみつは見えない所にあったのだ! 新製品のプラレールを見る時には、屋根を注目してみよう。