プラレール開発室はいったいどこに!?
中央に映っている部分がタカラトミー開発フロア。手前の吹き抜けに対して全面的にオープン。壁が無い。窓すら無い。ここにプラレール開発室が? |
あまりにもオープン。あまりにも風通しがよいオフィス。高い吹き抜けからは明るい日差しが降り注いでいる。彼方まで見通せるフロアに整然とデスクが並んでいる。そこには「開発室」という部屋すらない。ここが、さまざまなおもちゃが生み出されるタカラトミーの開発フロアなのだ。さて、プラレールはこの広いフロアのいったいどこで開発されているのだろうか?
開発フロアに足を踏み入れると、まずベビー向けおもちゃチーム・ポケモンチームのデスクが並ぶ。リカちゃんチームのデスクを通り過ぎ、さらに奥に入ると、「だいたいこのへんが、プラレールの開発チームの机です」と、タカラトミーの人が教えてくれた。かなりアバウトだ。プラレールチームと机を並べているのはトミカチーム、背中合わせに座っているのはリカちゃんチーム、振り返ると打ち合わせコーナー。何もかも見通せるフレンドリーな雰囲気の開発フロアだ。全国のちびっこの心をとらえるプラレール開発室は、かなりフランクで居心地のよさそうな場所だった。
さぁ、プラレール開発のひみつをゲットだ!
プラレールを開発して20年の担当者の方は、ガイドの問いかけに答え…… |
プラレール開発担当の方はしばらく考えてこう答えた。「僕は、新製品の構想は電車の中で考えます」。なるほど、それはわかりやすい。電車に揺られていると新しいプラレールのアイデアが生まれるのだ。「それから、鉄道博物館に行ったりもしますね」。ふむ、やはり研究も大事なのだ。「子どもたちから送られてきたアンケートや手紙にも目を通します。そこにヒントがあることもありますね」。やはり、プラレールファンのちびっこたちの意見を聞くことも重要なのだ。
プラレールを作っている人は、さぞかし電車が好きなのだろうか。やはり鉄道マニアなのだろうか? 「いえ、実は、プラレール開発担当は9名いるのですが、鉄道好きなのはそのうちの2名だけです」。これは意外な答えが返ってきた。「自分の子どもを見ながら新製品の発想をする人もいますね」。どうやら、鉄道観察よりも、ちびっこをよく観察することが、新しいプラレールを生み出す最重要条件のようだ。ガイドは、プラレール誕生のひみつが、ひとつわかった気がした。
しかし、そこでふと開発担当の方の表情が少し曇った。「ところがですね……」。