ワクチン「未接種の世代」
日本で麻疹ワクチンの定期接種が始まったのは昭和53年。それまでは麻疹は当たり前のように流行を繰り返し、多くの子供が一度は経験する病気でした。その後、ワクチンが普及するに従って麻疹の流行が下火になり、子供が麻疹にかかりにくくなってきます。今の30歳以上の世代は、小さい頃に一度は麻疹の流行を経験していると考えられています。ですから仮にワクチン接種をしていなくても、ほとんどの人々は麻疹抗体を持っています。しかし20代以下、特に今の10代以下は麻疹ウイルスにふれることなく成長した世代なのです。
20代以下においては、約1割の人々がワクチン接種を受けていません。これは定期接種を受けるときに体調が悪かったり、ワクチンの副反応を恐れて受けさせなかったり、ということが理由にあるようです。
ワクチンの副反応か、麻疹か
以前日本では、3種混合、MMRワクチン(麻疹・風疹・おたふくかぜ混合ワクチン)が主流でした。しかし副反応の無菌性髄膜炎によって命に関わる事態が起こったり、後遺症が残ったりする事例が相次いだため現在ではMRワクチン(麻疹と風疹の混合ワクチン)に切り替わっています。今でも「副反応が怖いからワクチン接種はさせない」という人もいますが、麻疹になる危険性とのかねあいで考えると、ワクチン接種がおすすめではないかとガイドは考えます。*ネット上での診断・相談は診察ができないことから行えません。この記事は実際の診察室での会話をもとに構成したものです。診断・相談が必要な方、お子様が病気にかかった場合は医院、病院で実際に受診してください。
<参考リンク先>
麻疹(はしか)の知識と対処法
要注意!10代を中心に麻疹が流行中