衛生仮説とは?

1990年頃、イギリスの医師が「先進諸国でアレルギーが増加しているのは、小さい頃に感染を経験しなくなったからだ」という説を唱えました。産まれてすぐの赤ちゃんの免疫はアレルギーになりやすく、その後いろいろな微生物に触れ、刺激を受けることで免疫系が学習し、成長していくという説です。

少し専門的に説明します。リンパ球という白血球の1種には、アレルギーを促進する細胞と抑制する細胞があります。微生物による刺激はアレルギーを抑制する細胞の発達を促すのですが、適切な時期に適切な刺激を受けないと免疫系が未熟のままになり、アレルギーになりやすい状態が続くようです。

汚いくらいがちょうどいい

泥遊びもなかなか出来ません
泥遊びもなかなか出来ないですね……
最近は、上下水道が整い、道路も舗装されて私たちを取り巻く環境がすっかり衛生的になっています。また、少子化で兄弟・姉妹が少なくなり、親の目が行き届くようになったこともあって、最近の子供たちは雑菌・土に触れることがあまりないようです。泥んこになって遊ぶ子供もあまり見かけなくなりました。

小さい頃、下に落ちたものでも何でも口に入れますよね。あれで色々な細菌を体内に入れ、免疫系を学習させているのです。また、それが腸内細菌を整えるのに役立っているようです。子供を喘息にしないための3ポイント(育児中編)でも書いたように、腸内細菌の乱れもアレルギーを引き起こす原因になるのです。

抗菌・清潔志向で、過度に細菌を遠ざけがちになっていませんか?「子供の環境は清潔が一番!」と行きすぎた清潔志向が、かえって子供の身体に悪影響を与えているとしたら……。

もちろん、感染症には生命に関わるような危険なものも少なくありませんから、何でも感染するのがいいというわけではありません。また、カビ(真菌)のように、そのものがアレルゲンとなる微生物もいます。何事も、極端ではいけませんが、清潔に神経質になりすぎる必要はないのではないでしょうか。



<参考リンク先>
子供を喘息にしないための3ポイント(感染編)
キレイ好きはNG?衛生環境でアトピー増加(「アトピー」 記事)
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