子供の病気/プール熱

要注意!プール熱、大流行の兆し

2004年に大流行したプール熱。今年に入ってから、それを上回るペースの発生が続いています。これから夏にかけてが発生のピークですから、よく注意して予防しましょう。

執筆者:長尾 大志


最近10年で一番の流行

Q:うちの子供の通う保育園の友達がプール熱になったそうです。今年は流行しそうだとニュースで聞きましたが、実際どうなのでしょうか。また、うつらないためにはどのようにしたらよいのでしょうか?教えて下さい。

A:お答えします。プール熱は2004年に大流行しましたが、今年の1月中旬以降、それを上回るペースでの発生が報告されています。過去10年の中でも最多のペースと言われ、夏にかけての大流行が予想されています。既に全都道府県で発生が確認されていると言いますから、「うちの地方は大丈夫かな?」とは言えません。予防と対策の心構えを知っておきましょう。

プール熱とは

プール熱になると、プールには入れません
プール熱になると、プールには入れません
プール熱、別名咽頭結膜熱は、そもそも夏の風邪ですが、最近では温水プールやスイミングクラブの普及と低年齢化によって、一年中発生するようになっています。かかるのは5歳以下の子供が中心ですが、もっと年齢が上の子供や大人にもうつります。

感染力が非常に強く、ちょうど保育園・幼稚園や学校など、プールに入る機会の多い夏の時期に流行することから、プール熱の名前が付いています。この名前から、プールでだけうつるものと思われるかも知れませんが、実際のうつり方は普通の風邪と同じです。かかった子供の咳やくしゃみでウイルスが飛び散り、それを他の子供が吸い込んで発病します。また、便の中にもウイルスは排泄されます。

子供が排便後お尻をきれいにせずにプールに入ったり、プールの中で咳き込んだりして水の中にウイルスが広がってしまうということから、プールで感染が流行しやすいことがあり、注意が必要です。

プール熱の症状は?

咽頭結膜熱という名前の通り、発熱と咽頭(のど)・結膜の症状が特徴です。熱は39度以上の高熱が3~4日以上続きます。咽頭が赤く腫れて痛くなり、目の痛みやかゆみが出て、目やにが多くなります。またそれ以外に頭痛・腹痛・下痢など風邪のような症状が起こることもあります。

プール熱の予防法

以下のことに注意して、今後のプール熱の流行に備えてください。
  • プールの後よく目を洗い、シャワーで身体を洗う
  • プールの後のタオルは個人のものを使い、貸し借りはしない
  • 規則正しい生活をして、風邪をひかないようにする
  • 子供がプール熱にかかったら、必ず園・学校・スイミングを休ませる
自分の子供の予防も大事ですが、他人にうつさない配慮も必要です。目が赤かったり、発熱したりの症状がある場合は早めに医師の診察を受け、指示に従いましょう。

*ネット上での診断・相談は診察ができないことから行えません。この記事は実際の診察室での会話をもとに構成したものです。診断・相談が必要な方、お子様が病気にかかった場合は医院、病院で実際に受診してください。


<参考リンク先>
教えてドクター!Q&A 夏の風邪 プール熱(記事)
感染症発生動向調査(感染症情報センター)
プール熱の感染が拡大中(記事)
咽頭結膜熱・プール熱(土川内科小児科)


>> 夏に多いその他の病気と対処法はこちらから
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