子供の病気/ヘルパンギーナ

脱水症状に注意!子供の夏風邪「ヘルパンギーナ」とは

「ヘルパンギーナ」は、代表的な子供の夏風邪。風邪といっても、熱は39度以上まで上がり、口内には水疱が見られるのが特徴です。意外と知られていないヘルパンギーナに関する基本的な情報をご紹介しましょう。自宅で看病する場合の注意点についてもご説明します。

執筆者:長尾 大志

ヘルパンギーナとはどんな病気? 特徴的な症状

診察を受ける女の子

発熱と水疱…症状が似ている子供の夏風邪に手足口病があります

Q:子供が39度の熱を出したので、近所の医院に連れて行きました。診断は「ヘルパンギーナ」でしたが、熱冷ましのお薬しか出してもらえませんでした。家に帰ると「口が痛い」と言い出しましたが、もう一度受診した方がよいのでしょうか? そもそも、「ヘルパンギーナ」とはどのような病気なのでしょうか?

A:ヘルパンギーナとは、いわゆる夏風邪の一種です。症状は強い喉の痛みが代表的です。喉が真っ赤になり、喉の奥に小さな水ぶくれが数個から数十個出来てきます。水ぶくれのところが痛くなるため、喉や口が痛いというのが特徴です。38度以上の高熱が2~3日続くこともあります。

ヘルパンギーナの原因・治療・予防法

ヘルパンギーナは夏風邪の代表です
ヘルパンギーナは夏風邪の代表です
ヘルパンギーナの原因となるのはコクサッキーA群というウイルスを代表とする何種類かのウイルスです。かかった子供の咳やくしゃみでウイルスが飛び散り、それを他の子供が吸い込んで発病します。

原因となっているウイルスに対する薬はないので、ヘルパンギーナに特定の治療法や予防接種はありません。予防法としては、風邪をひいている子供に近づかない、と言うことに尽きます。

特に治療しなくても自然に治るため、風邪として対症療法が中心になります。主に喉や口の痛みと熱に対処します。解熱剤は熱を冷ます以外にも痛みを止める効果がありますから、小児科で処方されるケースが多いお薬です。

病院を受診する目安は? 家庭で看病するポイント

喉や口の中が痛いので食事や水分が摂りにくいことも。高熱が出ているときには脱水状態にならないよう、水分の補給を充分に行いましょう。口の中が痛いときには、あまりかまずに飲み込めるやわらかいものを与えます。また、オレンジジュースのような刺激になるものは避け、味の薄いものを。牛乳・麦茶・みそ汁などで水分を補給します。

ヘルパンギーナはよくある夏風邪の一種ですが、特に夏は脱水になりやすいので、お母さんが気を付けてあげましょう。

口の痛みが強くて水分がとれないときは脱水状態になるおそれがあるため、医師の診察を受けて下さい。元気がなくてぐったりしているときや高熱が続くときも、病院を受診したほうが良いでしょう。


ネット上での診断・相談は診察ができないことから行えません。この記事は実際の診察室での会話をもとに構成したものです。診断・相談が必要な方、お子様が病気にかかった場合は医院、病院で実際に受診してください。

■参考
<特集>ヘルパンギーナ(国立感染症研究所)

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※当サイトにおける医師・医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではありません。診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関での受診をおすすめいたします。記事内容は執筆者個人の見解によるものであり、全ての方への有効性を保証するものではありません。当サイトで提供する情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、各ガイド、その他当社と契約した情報提供者は一切の責任を負いかねます。
免責事項

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます