子供の病気/その他の子供に多い病気

緊急対応Q&A vol.8 おぼれた!

いよいよ夏、子供達が海・川・プールに繰り出す季節です。水辺での遊びは気持ちいいですね。でも危険が潜んでいることをお忘れなく。万が一、おぼれたときの対処法は知っておいてください。

執筆者:長尾 大志

おぼれたとき、どうしたらいいの?

Q:昨年、うちの子供と海へ行ったときに、少し目を離していたら波に巻き込まれてしまいました。すぐ引き上げましたが、その後結構咳き込み、心配しました。万が一のためですが、おぼれたときの対処法を教えてください。

A:お答えします。子供がおぼれているのを見つけたら、まずは大声で助けを呼びましょう。海水浴であれば、ライフセーバーの助けを求める。これが大切です。慌てて自ら水に飛び込んで自らも被害に遭う…という二重事故を避けるためにも、多くの人の助けを借りながらすぐに水から引き上げて、状態を落ち着いて観察します。そして、以下の項目をしっかり確認しましょう。各項目は意識がない!の記事を参考にしてください。

観察のポイント
  • 意識はあるか

  • 呼吸をしているか

  • 血液循環はしているか
上のいずれかに当てはまる場合、心肺蘇生法を行います。

心肺蘇生法のABCを覚えていますか?

A = Airway(気道=空気の通り道)の確保

まず空気の通り道の確保です。仰向けに寝かせ、肩の下にタオルなどを丸めて入れて頭を後ろに傾けます。

B = Breath(呼吸)

いわゆるマウス・トゥー・マウスの人工呼吸です。鼻をつまんで口から息を、およそ2秒ぐらいかける感覚で吹き込みます。

C = Circulation(血液循環)

心臓マッサージです。心臓のある場所(写真の×印)をしっかりぐっと押しては離す、この繰り返しです。
心臓の位置は左ではありません!
心臓の位置は左ではありません!


水の吐かせ方

水を飲んでしまっている場合、意識があれば水を吐かせましょう。うつぶせになるように抱いて、背中を手の付け根あたりでたたきます。お腹を押さえるのも効果があります。

溺水の予防法

おぼれないようにするには、どうするか。水辺で遊ぶ時に目を離さない。これは基本です。親の言うことがわかる年齢になれば、深そうな場所に行ってはいけない、波に十分注意、等を良く言って聞かせることも大切です。また自分自身も、子供が溺れている現場に立ち会うと動揺してしまうでしょう。「落ち着きましょう」といっても難しいことかもしれませんが、いざというときのためにも、今回の記事をぜひ心の隅にでも留めておいてください。

以上のことに気をつけ、まもなく始まる夏に向けて対策を立てておきましょう。

*ネット上での診断・相談は診察ができないことから行えません。この記事は実際の診察室での会話をもとに構成したものです。診断・相談が必要な方、お子様が病気にかかった場合は医院、病院で実際に受診してください。

今回の記事は、以下のリンクを参考にしました。

おぼれた(お子さま119番)お子さま119番>事故やけが>おぼれた

夏休みSOS! 海・プールの事故とケガ(Dr.赤ひげ.com)Dr.赤ひげ.com>家族の健康>子供の健康>夏休みSOS! 海・プールの事故とケガ

水の事故(日本赤十字社)


>> 夏に多いその他の病気と対処法はこちらから
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