「心肺蘇生法のABC」。これを必ず覚えてください
心肺蘇生法とは、止まってしまった心臓、肺を蘇らせ生かす方法です。これは覚えやすいようにABCと頭文字をとってまとめられています。A = Airway(気道=空気の通り道)
B = Breath(呼吸)
C = Circulation(血液循環)
このABCさえ保たれていれば、生命は救われます。救急車が来るまで、病院に着くまでにこのABCができているかいないかで生死が分かれるケースもあるのです。
参考リンクや本によって少しずつ書いてあることは違いますが、本質的にはどれも同じですので、1つのやり方をきっちり覚えておくのがよいと思います。
心肺蘇生法のABC手順
A = Airway(気道=空気の通り道)の確保まず空気の通り道の確保です。舌の付け根がのどに落ち込むと空気の通り道がふさがってしまうので、それを避けるために仰向けに寝かせ、肩の下にタオルなどを丸めて入れて頭を後ろに傾けます。手であごを持ち上げるように書いてあるものもあります。こうすることで気道がまっすぐになり、ふさがりにくくなります。
B = Breath(呼吸)
いわゆるマウス・トゥー・マウスの人工呼吸です。鼻をつまんで口から息を、およそ2秒ぐらいかける感覚で吹き込みます。赤ちゃんで鼻と口が近いときは、両方に口をあてて息を吹き込みます。胸がふくらんでいるかどうか確認しましょう。
C = Circulation(血液循環)
心臓マッサージです。心臓のある場所をしっかりぐっと押しては離す、この繰り返しです。注意点は心臓の位置と回数、強さです。
心臓の位置を確認することが大切
心臓の位置は左ではありません!知っていましたか?心臓の位置は左ではありません! |
■乳児の場合:左右の乳首を結んだ線上のちょうど真ん中に親指以外の4本の指を並べて、4本のうちの中指と薬指の位置がちょうど心臓の真上です。中指と薬指で圧迫します。
■幼児の場合:左右の乳首を結んだ線の中央、やや下あたりです。手のひらの付け根で圧迫します。
心臓マッサージの回数と強さ
1分間に100回程度、心臓マッサージを5回につき人工呼吸を1回という割合で行います。強さは思っているよりも強く、胸の厚みの3分の1程度へこむぐらい押します。2人いる場合には1人が人工呼吸、1人が心臓マッサージをします。呼吸、血液循環の状態は常に確認し、自力で呼吸できるようになったり、心臓が動き出したら蘇生は中止します。
*ネット上での診断・相談は、診察ができないことから行えません。この記事は診察室での実際の会話をもとに構成したものです。診断・相談が必要な方、お子様が病気にかかった場合は医院、病院で実際に受診してください。
心配蘇生法が必要になるケースで、一番問題になるのは脳です。脳は人間の臓器の中で一番酸素を多く必要とし、酸素不足になると最も早くダメージを受けてしまいます。蘇生が遅れてもほかの臓器は回復することが多いのですが、脳がダメージを受けることで、脳死、植物状態などになってしまいます。これを避けるため、できるだけ早く蘇生法を開始する必要があるのです。
<参考リンク先>
心肺蘇生法(日本赤十字社)
蘇生のABC(家庭の救急法)
救急事例(乳児)(プレホスピタルケア)