子どもが安心・信頼できる準備はできていますか?
イヤイヤ期の子どもが求めているもの、それは側にいる人から「そうなのね。あなたはそう思うのね」と、ひと呼吸おいて尊重してもらうことなのです。例えば、以下のような思考回路をぜひ持ってみてください。ママ:お風呂入ろうか?
子ども:イヤだ!
ママ:えっ、どうして?
子ども:だってイヤなんだもん!
ママ:……(イラッ。そうかー、主張したいのね。よーし、深呼吸。ゆっくりと息を吐きながら)そうか~。お風呂に入りたくないのね。うんうん(このときに威圧的になると、子どもが不安になって逆効果)。でも、さっきたくさん汗かいたよね。お風呂に入らないと、体が汚いままだよ。お風呂できれいに洗って、さっぱりしておいしい麦茶を飲もうよ(その先に楽しみにできることをセットすると、子どものモチベーションが上がります)。
これはほんの一例ですが、子どもは「ちゃんと受け止めてくれているんだ……」「本当の気持ちを言っても聞いてくれるんだ……」と思えると、意外とすんなり同意してくれます。それでもなかなか話が前に進まないときは、再び深呼吸をして「ぎゅう~」とやさしくお子さんを抱きしめてあげてください。言葉だけでなく、スキンシップを通じてお子さんに「受け止めるよ」というサインを伝えることになり、子どもも安心しやすくなります。
ふだんからのお子さんとのスキンシップやコミュニケーションも、子どもが安心できる大切な土台になります。私個人がそもそも陥ってしまったのは、「言うことを聞かせなくちゃ!」という思い込みでした。子どもの立場になって考えてみると、いつも口うるさい大人の言うことを聞きたいと思うでしょうか? 答えはNoでしょう。大人ですらそうだと思います。指示命令ばかりの先生よりも、いつも一緒にいて、おしゃべりをしたりスポーツを楽しんだりすることができる先生が大好きで、その先生の話なら良く聞いたという経験が読者の皆さんにもあるかと思います。
だからといって叱ってはダメなのかというと、そうではありません。
ダメなものはダメ! ひとりで抱え込まない
道路への飛び出しなど子どもが危険な状況のとき、砂場で友達のおもちゃを無理やり取ろうとしてしまったときなど、人に迷惑を掛けてしまいそうになり早急にストップをかけなくてはならないことがあると思います。そういうときには、逆にふだんから仲良しのお母さんが真剣な顔で「いけないよ」と伝えることで、子どもにも「相当まずいことなんだ……」という認識ができやすくなります。ただ、こういったやりとりはママひとりで抱え込んでいると辛くなるときがきます。当然です。子育ては、みんなでするもの。核家族になる前は、子どもは地域の宝として、おじいちゃんおばあちゃんはもちろん、近所のおじさんや八百屋さんなど、みんなでかわいがったものなのです。今は家族の形が変わってきて、どうしてもママひとりが多くの負担を抱えがちです。パパやおじいちゃんおばあちゃん、親戚に正直に気持ちを話し、協力し合えるのが一番。それが難しい場合は一時保育や出張ベビーシッター、電話相談などを活用して、ママ側も風通しのいい環境を作りましょう。
今日からの親子のコミュニケーションが気持ちよくできるよう、まずは深呼吸からチャレンジしてみてくださいね。
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