1300年の伝統を誇る本場奄美大島紬と泥染め
島の泥とテーチ木で染める |
肥後染色・夢しぼりのwebサイトから、その特長を簡単にご紹介しましょう。
「その泥染めの工程は、島に自生するテーチ木(シャリンバイ)をチップ状にすることから始まり、その時々の気候、時間、糸の状態をみながらテーチ木の煮汁で染め、染めては絞り、染料を入れ替えしてはまた染める。 するとテーチ木の色、茶色の褐色になります。
そして、自然界に存在する鉄分豊富な泥田に、太ももまで浸かり、テーチ木染めした糸を泥で焙煎する。この泥こそが島でしか出来ない最大の特徴。粒子が細かく丸い。そして自然界に存在する鉄分が豊富なのです。我々は、大自然の恩恵を受け、その環境を守っていかなければなりません。
これだけの工程1回では完全な黒褐色にはならないので、この一連の工程を3~4回繰り返すことで、やっと奄美の泥染め独特の深みのある黒褐色が生まれるのです。」
正絹の大島紬の深い色はよく知っていますし、私のケータイストラップも絹製の大島紬です。しかし、綿のTシャツを染めたらどうなるのか、さらに洗い込んだらどうなるのか、いつか自分の眼で確かめたいと思っていたのです。
池袋東武「大鹿児島展」で山元隆広さんに教わる
職人の笑顔の裏にあるこだわり |
そこで、早速、泥染Tシャツをこの眼でこの手でたしかめるために出かけました。そして、泥染職人の山元 隆広さんにお会いして、泥染めの秘密をお聞きすることもできたのです。
驚くことに、泥染めのための素材は、泥にしろテーチ木にしろ、ほとんど地元に豊富にある自然の恵みを使っていました。そして工程のほとんどは、昔ながらの手作業でした。しかも、ただ染料に糸や布を浸けているだけではだめで、空気に触れないと染まらないそうです。つまり、「染料に浸けては出して空気にさらす」という手作業を何度も何度も繰り返すことが必要なのです。
しかも、テーチ木で何度か染めた後に、初めて泥染めを行い、さらに染めを繰返すことで初めて、あの一見黒く見える深い茶褐色が現れるのだそうです。
また、製品が完成した後も、着込み洗い込むうちに、色が少しずつ「いい感じ」で褪せて元の生地色に近づいてくるそうです。そのエージング見本も見せてもらいましたが、まさに良質なジーンズのように愛用する程に味わいが出てくるようです。
>>>私が買い求めた泥染めTシャツの味わい